2014 Fiscal Year Research-status Report
グアニン四重鎖構造を標的とするテロメラーゼ活性測定プローブの開発
Project/Area Number |
26670552
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
清野 泰 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (50305603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 哲也 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 助教 (40397287)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 放射性医薬品 / テロメラーゼ活性 / 放射性銅 / PET |
Outline of Annual Research Achievements |
がん細胞では、テロメラーゼの活性が上昇しているために、染色体末端に存在するテロメアの長さが短くならず、細胞の不死化に繋がっている。テロメラーゼ活性を核医学的に測定できれば、がん患者の治療効果や予後の予測に非常に有益な情報を提供できる。そこで本研究では、テロメアの中に繰り返し現れるグアニン四重鎖構造に入り込むCu-64標識フタロシアニン誘導体のテロメラーゼ活性測定プローブとしての有効性を評価することとした。 放射性核種である64Cuの標識方法は、標識前駆体のテトラスルホン酸フタロシアニン水和物(PcTS)に64Cuと緩衝液を加え、1時間加熱し反応させた。この際の64CuのPcTSへの標識反応において前駆体量と緩衝液のpHの最適条件を検討し、その最適条件下で64CuのPcTSへの標識反応を行った。その結果、標識後のメインピークの時間は予備実験で求めた銅フタロシアニン-3,4′,4″,4″′-テトラスルホン酸四ナトリウム塩(Cu-PcTS)のピーク時間と一致した。これらより、[64Cu]PcTSが合成されたことが確認できた。 ヒト由来前立腺がん細胞であるPC-3とLNCaP、正常ヒト成人皮膚繊維芽細胞であるNHDF/ADの3種類を用いて、[64Cu]PcTSががん細胞に取り込まれるかの実験を行った。その結果、がん細胞への集積量が非常に低く、正常線維が細胞に比べて有意な集積差が認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた細胞取込実験まで行うことができたため、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通りに進んでいるが、がん細胞への有意な集積が認められていないので、細胞集積の検討をさらに増やすことが必要である。がん細胞の種類を増やすこと、阻害剤を利用した検討を行うことで、本プローブの有効性をさらに詳細に検討する必要がある。その後、担がんマウスを用いた検討を行って、イメージングが可能であるかを確認する。
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