2015 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白導入ドメインとRCANペプチドを用いた新規免疫抑制剤の開発
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26670590
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
野口 洋文 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50378733)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 免疫抑制剤 / RCAN蛋白 / 蛋白導入法 / 膵島移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫抑制剤の一つであるカルシニューリンインヒビターの登場により移植医療は飛躍的に進歩したが、糖尿病などの数多くの副作用が報告されている。免疫機構に関係あるカルシニューリン-NFAT経路のみをブロックする薬剤を開発すれば、より副作用の少ない免疫抑制剤としての使用が可能となる。申請者は以前に、NFAT抑制ペプチド(11R-VIVIT)を開発し、このペプチドがカルシニューリン-NFAT経路のみをブロックし、糖尿病の副作用を持たないことを証明した(Nature Medicineに報告、筆頭著者)。現在、このペプチドは研究試薬として多くの研究者に利用されているが、有効濃度の5-50倍の濃度を使用すると細胞毒性が認められるため、臨床使用は困難な状況にある。今回の研究目的は、11R-VIVITよりも副作用の少ない免疫抑制剤(RCAN-11R)を開発することであった。本研究は、RCAN蛋白(protein family of regulators of calcineurin)のアミノ酸配列の一部と、蛋白導入ドメインと融合させたRCAN-11Rを用いている。これまでにいくつかの内因性カルシニューリン抑制物質が同定されているが、そのうちのひとつであるRCAN蛋白に着目し、そのアミノ酸配列の一部を抑制ペプチドとして用いた。RCAN-11RはIL-2の分泌を抑制し、細胞毒性も11R-VIVITよりも低いことを確認し、膵島移植モデルを用いて新規免疫抑制剤として効果を確認した。以上より、RCAN-11Rはカルシニューリンインヒビターや11R-VIVITよりも副作用の少ない免疫抑制剤であることが証明された。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Choice of Feeders Is Important When First Establishing iPSCs Derived From Primarily Cultured Human Deciduous Tooth Dental Pulp Cells.2015
Author(s)
Saitoh I, Inada E, Iwase Y, Noguchi H, Murakami T, Soda M, Kubota N, Hasegawa H, Akasaka E, Matsumoto Y, Oka Kyoko, Yamasaki Y, Hayasaki H, Sato M.
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Journal Title
Cell Med.
Volume: 8
Pages: 9-23
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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