2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26670593
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福島 浩平 東北大学, 医工学研究科, 教授 (20271900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 直人 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60291267)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 大腸全摘 / 回腸嚢炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画では、C56BL/6 マウスに対し、浸透圧ポンプを用いアルドステロン持続投与を行なうとともに、Dextran sulfate sodiumを経口投与した実験腸炎を加味し検討する予定であったが、大学院生不在によりin vivo実験は実行できなかった。 一方、in vitroの系では、腸内環境をin vitroで再現する上で、培養液構成、嫌気環境の維持などの問題を解決する必要があった。とくに、Mollyらの方法に準じつつ、適宜Na濃度を調整することができなかった。そこで、当初の計画の最終段階で予定していたヒト大腸全摘術後の回腸嚢炎プロジェクトとして、回腸嚢炎症例に対する抗菌剤治療の問題点を検討した。回腸嚢炎治療指針では、メトロニダゾールとシプロフロキサシン(CFX)が第一選択薬であるが、耐性化をはじめとする抗菌剤使用の問題点は不明である。細菌遺伝子gyrAおよびparCはCFX耐性化に深く関与することが知られる。そこで、ヒト回腸嚢便中の大腸菌gyrAおよびparCの遺伝子量と耐性化を決定する核酸変異の出現頻度を検討したところ、耐性化に重要な各遺伝子それぞれ2箇所の配列のうち、gyrAではTCG(Ser)→TTG (Leu)が61%に、GAC (Asp)→AAC (Asn)が6%に、parCではAGT(Ser)→ATT(C) (Ile)が45%に、GAA (Glu)→GTA(Val)が21%に認められた。定量システムを構築しえたgyrA遺伝子2箇所、parC遺伝子1箇所の変異遺伝子率をみると、CFX投与既往群ではそれぞれ70%、79%、50%、CFX投与歴のない群では12%、11%、5%でありいずれも著明な有意差が認められた。回腸嚢炎治療例におけるgyrAおよびparC遺伝子の変異遺伝子率の上昇は、CFX抵抗性の難治に関与すると考えられた。
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Research Products
(4 results)