2014 Fiscal Year Research-status Report
リポソーマル化ICG-Her2蛍光抗体を用いた治療前効果予測診断法の開発
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26670596
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
星野 敢 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任研究員 (10400904)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 胃癌 / 腹膜播種 / ICG / HER2 / リンパ節転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
インドシアニングリーン(ICG)含有のリポソーム(LP-ICG-C18)をプローブとして利用し,近赤外光の技術を用いた新規イメージングについて基礎的検討を行った。ICGの親水基の一つを疎水性の側鎖に置換しICG-C18を作製した。同構造改変ICGをリポソーム化し、LP-ICG-C18を作製しプローベとして用いた。大腿皮下腫瘍モデル、また腹膜播種モデルとしてBalb/c nu/nu マウスを用いた。1×106個のKATOIIIないしMKN45細胞を大腿皮下に投与、2週間後に100μlのLP-ICG-C18を尾静脈より静注した。 1×106個のKATOIIIないしMKN45細胞を腹腔内に投与し投与後12日目に100μlのLP-ICG-C18を尾静脈より静注した。いずれも24時間後にXenogen IVIS 200 small animal imaging system (Xenogen, Alameda, CA)を用いて撮像、さらに開腹後near-infrared fluorescence imaging system (Olympus Corp., Tokyo, Japan)にて腹膜播種へのLP-ICG-C18の取り込みを確認した。また、マウスより採取した腹膜播種を全身麻酔下、豚腹腔内に散布し、通常光および近赤外光でimaging systemを用いて観察を行った。マウス皮下腫瘍モデルにおいてLP-ICG-C18の腫瘍への特異的な取り込みを確認した。肝臓、脾臓での細網内皮系への取り込みも認めたが、腫瘍に比較し軽微であった。マウス腹膜播種モデルにおいてIVISによる開腹前での腹膜播種の同定が可能であった。さらにnear-infrared fluorescence imaging systemを用いることで1mm程度の微小な腹膜播種も容易に同定が可能であった。また豚モデルを用いた審査腹腔鏡においてLP-ICG-C18を含んだ腫瘍の同定は近赤外光を用いることで極めて容易となることが確認された(Anticancer Res. 2015 Mar;35(3):1353-9.)。ICGラベル化抗Her2抗体(Her2-LPICG-C18)を作製し、胃癌ヒト細胞株マウス皮下腫瘍の薄切切片での抗原抗体反応の確認を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度においてin vivoでのHer2-LPICG-C18腫瘍集積のイメージングも計画していたが、Her2-LPICG-C18の作製に期間を要したこと、薄切切片上での抗原抗体反応が予想に比し弱く検討に複数回の実験を要したことなどにより当初期待したほどの進捗は得られていないと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もマウス腫瘍モデルを利用したin vitroでの基礎検討を要する。ハーセプチン(トラスツズマブ:中外製薬)の含有量を変更するなど、Her2-LPICG-C18合成の段階からの検討も可能と考える。また、Her2-LPICG-C18での十分な蛍光強度が得られない場合は、他のプローベ等との比較も必要になるものと考えている。Balb/c nu/nu mouseによるxenograft modelを作製する(皮下腫瘍モデルおよび肝転移モデル)。腫瘍が増大した時点で、尾静脈よりHer2-LPICG-C18を投与する。種々の濃度ならびにタイミングにて蛍光の集積効果を赤外線観察カメラシステム(浜松ホトニクス社)やIVIS Imaging Sysytem(Xenogen社)を用いてモニタリングし最適投与濃度、撮像条件を決定する。またモニタリング終了後、犠牲死のタイミングにて採血を施行し肝機能、腎機能の評価を行い、Her2-LPICG-C18が毒性のないことを確認する。
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Causes of Carryover |
実際のin vivoでの検討で用いるためのICGラベル化抗Her2抗体(Her2-LPICG-C18)のセッティングに遅れが生じていることが最大の理由である。試行を繰り返すことで今後の研究のめどはおおよそ確立したものと考えている。今後は本格的にin vivoの実験系が開始されることによりマウス購入費等の消耗品費が必要となることが予想される。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験動物(Balb/c nu/nu mouse)購入費として1,000,000円程度の使用が予想される。また、生化学実験試薬、細胞培養試薬、各種実験キット、ガラス器具等に同等の費用を要すると考えられる。また本年度以上に研究成果発表のための学会参加旅費、論文掲載料等も要するものと考えている。
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[Journal Article] Detection of Peritoneal Dissemination with Near-infrared Fluorescence Laparoscopic Imaging Using a Liposomal Formulation of a Synthesized Indocyanine Green Liposomal Derivative.2015
Author(s)
Hoshino I, Maruyama T, Fujito H, Tamura Y, Suganami A, Hayashi H, Toyota T, Akutsu Y, Murakami K, Isozaki Y, Akanuma N, Takeshita N, Toyozumi T, Komatsu A, Matsubara H.
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Journal Title
Anticancer Res.
Volume: 35
Pages: 1353-1359
Peer Reviewed
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[Journal Article] Treatment of Near-Infrared Photodynamic Therapy Using a Liposomally Formulated Indocyanine Green Derivative for Squamous Cell Carcinoma.2015
Author(s)
Maruyama T, Akutsu Y, Suganami A, Tamura Y, Fujito H, Ouchi T, Akanuma N, Isozaki Y, Takeshita N, Hoshino I, Uesato M, Toyota T, Hayashi H, Matsubara H.
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Journal Title
PLoS One.
Volume: 10
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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