2015 Fiscal Year Annual Research Report
肺気腫発生・進展の新規メカニズムの解明:その発症・重症化の予防と新規治療薬の開発
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26670628
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡田 守人 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (70446045)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肺気腫 / 肺胞上皮接着分子 / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
肺気腫はオキシダント-プロテアーゼ優位な背景による肺胞壁破壊が特徴である。我々は肺胞上皮接着分子Cell adhesion molecule 1 (CADM1)がプロテアーゼにより切断(shedding)を受けて産生される細胞内断片(CTF)が細胞内ミトコンドリアに蓄積して肺胞上皮のアポトーシスが誘導されることで肺胞壁が破壊され、肺気腫の発生・進展に寄与していることを突き止めた(Thorax 2013)。しかし、CADM1のsheddingからアポトーシスが誘導されるまでの機序は未だ不明であり、単細胞内成分まで把握できる新開発の細胞ビデオ・マススコープ質量分析を用いて詳細に解析することで、肺気腫の予防戦略と新規治療薬開発を試みた。 最初はミトコンドリア輸送におけるCADM1関連分子の質量分析を行った。抗CADM1抗体を用いた免疫沈降にてCADM1関連分子(複合体形成する分子含む)を抽出し、質量分析を用いてCADM1関連分子を同定した。 次にミトコンドリア輸送における候補CADM1関連分子の機能解析を試みた。肺胞上皮細胞株を用いた候補CADM1関連分子の機能解析(実際にミトコンドリア輸送およびアポトーシスを制御できるか)と肺気腫マウスでの候補CADM1関連分子の機能解析(新規治療標的の模索)を準備中である。
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