2014 Fiscal Year Research-status Report
悪性脳腫瘍におけるIDH1変異とIGFBP7,COLA1の役割
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26670639
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
副田 明男 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (20444276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩間 亨 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20303498)
高木 俊範 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (00452152) [Withdrawn]
辻本 真範 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (70509554)
山内 圭太 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (10452153)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 悪性脳腫瘍 / IDH1変異 / IGFBP7 / COLA1 / 脳腫瘍幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は本研究の契機となった論文をSoeda A, Hara A, Kunisada T, Yoshimura S, Iwama T, Park DM: The evidence of glioblastoma heterogeneity. Sci Rep. 2015 Jan 27;5:7979.に発表した。本論文では、IDH wild typeの患者から一個の細胞由来で増殖速度および腫瘍形成能に違いが有る異なった性格の脳腫瘍幹細胞株を4株樹立したこと。これらは、増殖速度、表面マーカー、腫瘍形成度が異なり、cDNA arrayにて解析した結果、IGFBP7とCOLA1の発現の差異と性格の違いが一致したことなど、本研究の着想に至った経緯を論文化したものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述のように論文発表により本研究開始にあたるベースは出来たが、当該年度に計画していた、既に保有しているIGFBP7とCOLA1の発現レベルが異なり、悪性度のことなる脳腫瘍幹細胞モデルを使用し、si/shRNAなどにより詳細に検討することに関しては、脳腫瘍幹細胞に最適なsiRNAが可能な実験機器の購入に至らず停滞している。 患者組織標本からIDH1変異の有無とIGFBP7, COLA1の発現の相関関係に併せて患者予後について検討することに関しても、患者組織標本の保存状態の問題及び研究者所属病院から退院した患者のデータベース化が滞っており進んでいない。この点に関しては本研究立案時より予想を上回って患者追跡が困難であると反省している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画では今年度に、低酸素下でのIDH1, IGFBP7, COLA1の動態と血管新生阻害薬の有効性の検討を行う予定であったが、未だIDH1 mutation患者からの脳腫瘍幹細胞株の樹立に至っておらず、IDH1 mutation下においてのIGFBP7とCOLA1の発現動態が、IDH1 wtと異なるのか確認に至っていない。このため、IDH1 mtの脳腫瘍幹細胞株を樹立することが早急である。しかしながら、IDH1変異患者のサンプルが運良く得られたとしても確実に腫瘍幹細胞株を確立出来るとは限らないため困難も予想される。 本研究遂行にあたり、岐阜大学病院で治療したにも関わらず、退院後に転院を繰り返す等により予後決定を判断するデータベースが未完成であることが判った。研究遂行の為にも、早急にデータベース化を進める予定である。
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Causes of Carryover |
計画通りに使用したが、消耗品が当初の予定よりも安価に購入できたため、3,201円の次年度繰越金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
この繰越金を含め、サンプル、試薬、抗体等の購入と論文校正費用、論文投稿料に使用する予定である。
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