2015 Fiscal Year Annual Research Report
Transcriptome analysis for primary central nervous system lymphomas.
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26670646
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
山中 龍也 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (20323991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 淳 佐賀大学, 医学部, 教授 (60389319)
早野 あづさ 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 博士研究員 (10379018)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳腫瘍 / 脳リンパ腫 / トランスクリプトーム / 生存期間 / 治療反応性 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
中枢神経原発悪性リンパ腫(PCNSL)は中枢神経系に原発する節外性非ホジキン型リンパ腫で、多くはB 細胞リンパ腫である。しかし、全身性に発生する瀰漫性大細胞性B 細胞リンパ腫とは遺伝学的に異なるものと考えられている。PCNSL に対する再構成遺伝子、miRNA を含むノンコーデイングRNA に関する知見に乏しい。これまで、国際的にもPCNSLに関する遺伝子解析研究は進んでおらず本研究は意義があるものと考えられる。PCNSL はその頻度は最近増加している。本邦では標準治療としてHigh doseMethotrexate(HD―MTX)化学療法3 コース終了後、全脳放射線治療が広く行われている。しかしながら、本治療法の問題点として整理してみると、 1)5 年生存率は約30%と、治療成績は全身性非ホジキンリンパ腫と比べ著しく不良である。2)副作用として晩発性の神経毒性がある。3)多くは再発し治療抵抗性となり、新たな治療スケジュールの開発が待たれている。 今後は、臨床試験を通じて、より有効で、副作用の少ない治療法が開発される必要がある。こうした現況からも、PCNSL の多角的な細胞生物学的研究の発展が必要である。 今回の研究でPCNSLの腫瘍組織を高速シーケンサーを用いてトランスクリプトーム解析を行い、PCNSLで特異的に発現している融合遺伝子や非コードRNAなどの新規転写産物の同定および既知の転写産物の定量を目的とした。 現在まで、高速シーケンサーによる解析が終了し、今後、スーパーコンピューターによる解析を行い、疾患特異的なバイオマーカーを探索する予定である。
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