2014 Fiscal Year Research-status Report
もやもや病遺伝子座17q.25.3の高密度連鎖不平衡解析による疾患感受性の理解
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26670649
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
赤川 浩之 東京女子医科大学, 医学部, テニュアトラック准教授 (60398807)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | もやもや病 / 感受性遺伝子 / ハプロタイプ / 連鎖不平衡 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は保有する患者サンプル103例および対照サンプル185例の遺伝的背景を明らかにすべく、RNF213遺伝子領域の詳細なシーケンス解析を完了させた。統計解析の精度を高めるため、これまでに本邦で報告されたもやもや病遺伝子解析の結果も渉猟し、また、一般人口対照データとして1000人ゲノムデータベースの日本人89人分のデータも組み合わせた。その結果、日本人患者370例および日本人対照279例から、計30個の非同義レアバリアントが検出された。これら多数のバリアントの中から疾患リスクとなるものを高精度に判別できる遺伝統計学的手法として、最新の変異機能障害度スコアCADDを組み合わせたvariable threshold法を考案した。機能障害度の高い変異ほど有意に患者群に多いことが示され、RNF213遺伝子において病的変異と判定できるCADDスコアの閾値は14.67であることが明らかになった。今後、遺伝子診断としての応用を考える上で有用な基準になるものと考えられた。しかしながら、このような基準を超える変異であっても、障害度スコアはGWASで報告されているようなcommon complex traitの感受性多型と同等であり、もやもや病の病態は多因子であることを支持した。本課題の仮説であるRNF213遺伝子変異は決定的な表現型決定因子ではないことを数理的に検証することが出来た。この新たな遺伝統計学的手法を表題「Systematic validation of RNF213 coding variants in Japanese patients with Moyamoya disease」としてJournal of the American Heart Association誌に報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RNF213遺伝子の詳細な配列解析を完了し、課題の途中経過ではあるものの、成果を論文報告することができた。今後課題の完了に向けて、精度の高い方法で対象検体を選別する方法が確立出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の成果で、我々の保有する103例の患者サンプルでは78例がリスクアレルの保有者であることが明らかになり、今後の課題達成に向けて詳細な解析を行うべき検体が選別出来た。これら78例のリスクアレル保有患者を対象に、染色体17q25.3のRNF213遺伝子およびその近傍遺伝子を含むハプロタイプ構造を明らかにする。特に遺伝子上流の発現調節領域や3’非翻訳領域などに注目してサンガー法によるシーケンシングを行い、機能的ハプロタイプが構成されていることを検証する。
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Causes of Carryover |
価格改定の影響を受け、購入予定の実験試薬の価格より残金が小額となってしまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度分とあわせてまとめて注文することにより安価に購入可能となるので、予定どおり試薬の購入を行う。
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