2015 Fiscal Year Annual Research Report
もやもや病遺伝子座17q.25.3の高密度連鎖不平衡解析による疾患感受性の理解
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26670649
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
赤川 浩之 東京女子医科大学, 医学部, テニュアトラック准教授 (60398807)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | もやもや病 / 感受性遺伝子 / ハプロタイプ / 連鎖不平衡 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では、もやもや病感受性遺伝子領域であるRNF213遺伝子およびその近傍領域において、点変異あるいは小さな欠失挿入の網羅的検索を完了した。このうち、特にRNF213遺伝子領域においては患者103例でのリシーケンスデータを用いて別途詳細な解析を加えた。東アジア人においては本遺伝子の創始者変異p.R4810K (c.14429G>A、rs112735431)が高率に陽性となるが、これまでその他のRNF213バリアントの寄与については十分な数理統計学的な検討がなされていなかったためである。これまで本邦の他の研究施設から報告されているデータも統合して検出力を上げ、レアバリアント関連解析法のひとつである変数閾値テストを新たに最適化して検討を行った。その結果、やはりp.R4810Kとは別の機能的レアバリアントもまた疾患と有意に関連していた(permutation Pmin=0.045)。一方で、RNF213遺伝子型では疾患感受性が説明できない日本人患者がおよそ2割存在することも明らかになった。今後このような患者サンプルは新規感受性遺伝子を検索するために利用していく予定である。この成果は、表題「Systematic Validation of RNF213 Coding Variants in Japanese Patients With Moyamoya Disease.」としてJournal of the American Heart Association誌に発表した。 もやもや病感受性遺伝子領域における点変異および小さな欠失挿入の網羅的検索の段階で、30から100塩基ほどに及ぶ大きな欠失や挿入も少なからず存在することが確認された。創始者変異p.R4810Kと強固な連鎖不平衡を呈する機能的な挿入バリアントも見出した。p.R4810Kアレルは、RNF213遺伝子機能に単独で変化をきたすのみでなく、連鎖不平衡をなす周辺の遺伝子機能にも影響を及ぼし疾患に関わっていることが示唆された。
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