2014 Fiscal Year Research-status Report
TRPV4-SOX9を標的とした新規骨・軟骨治療薬開発
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26670660
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石黒 直樹 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20212871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼頭 浩史 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40291174)
小嶋 俊久 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (70378032)
三島 健一 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座助教 (40646519)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ATDC5 / SOX9 / RUNX2 / MMP-13 / TRPV4 |
Outline of Annual Research Achievements |
TRPV4mRNA発現量増加の検討:ATDC5細胞でTRPV4が軟骨細胞への分化にSOX9上昇を介して関わることを確認している。SOX9mRNA上昇はⅡ型コラーゲン、アグリカンmRNA発現と蛋白産生に繋がった。TRPV4プロモーターにルシフェラーゼ遺伝子を組み込んだベクターを作成し、ATDC5細胞にTransfectionした。この細胞を用いて一次スクリーニングとして既存薬Drug panel(1184種類の薬剤)の中からTRPV4mRNA発現上昇に関わる化合物を探索した。二次スクリーニングとしては用量依存性の認められる化合物を検討した。結果は思わしくなく、物質の確認には至らなかった。方策を変更することにした。 SOX9mRNA発現量増加の検討:SOX9プロモーターにルシフェラーゼ遺伝子を組み込んだベクターをATDC5細胞に遺伝子導入した。この細胞を用いて再度既存薬Drug panelからスクリーニングを行った。5種類の候補化合物を得て、二次スクリーニングを行った。二次スクリーニングではATDC5細胞でのSOX9、RUNX2 mRNA、Ⅱ型コラーゲン、アグリカン、MMP-13mRNA発現に容量依存性を検証した。これから候補化合物を一つに絞った。この化合物の物質特許を調べて、既知の作用では無いことを確認した。次にマウス初代軟骨細胞を用いて標的となるSOX9、RUNX2 mRNA、Ⅱ型コラーゲン、アグリカン、MMP-13mRNA上昇を検討した。以上の結果を詳細に検討した結果から候補化合物は直接SOX9プロモーターに作用するのではなく、他の因子を介して結果としてSOX9mRNA上昇に働く事、その作用は細胞の分化時期により異なることが示唆された。候補化合物の作用を更に解明を進めることとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TRPV4mRNA発現量増加の検討:ATDC5細胞でTRPV4mRNA発現上昇によるSOX9蛋白の恒常的産生量上昇を来す物質を求めてスクリーニングを行うも結果としては得るものが無く失敗であった。TRPV4プロモーターにルシフェラーゼ遺伝子を組み込んだベクターを作成し、ATDC5細胞にTransfectionした。この細胞の調整に手間取ったことが原因と推察される。スクリーニング系の信頼度に問題があり、物質の確認には至らなかった。そこで方策を変更して、SOX9遺伝子発現量を上昇させる物質を標的として、研究を行った。内軟骨性骨化を再現可能なATDC5細胞を用いて、各細胞分化の段階でのSOX9上昇に対する薬剤効果を検討する実験系を作成した。この系を用いれば内軟骨性骨化の各段階で標的薬剤のSOX9発現効果を検討できる。SOX9プロモーターにルシフェラーゼ遺伝子を組み込んだベクターをATDC5細胞に遺伝子導入した。この細胞を用いて再度既存薬Drug panelからスクリーニングを行った。5種類の候補化合物を得て、二次スクリーニングを行った。二次スクリーニングではATDC5細胞でのSOX9、RUNX2 mRNA、Ⅱ型コラーゲン、アグリカン、MMP-13mRNA発現に容量依存性を検証した。これから候補化合物を一つに絞った。この化合物の物質特許を調べて、既知の作用では無いことを確認した。次にマウス初代軟骨細胞を用いて標的となるSOX9、RUNX2 mRNA、Ⅱ型コラーゲン、アグリカン、MMP-13mRNA上昇を検討した。以上の結果を詳細に検討した結果から候補化合物は直接SOX9プロモーターに作用するのではなく、他の因子を介して結果としてSOX9mRNA上昇に働く事、その作用は細胞の分化時期により異なることが示唆された。Back upの実験系を立ち上げ、結果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
候補化合物物質特許項目に今回見出した作用は含まれていないので、特許取得は用法を限れば可能と考えている。疾患治療への応用の可能性が確認できれば特許申請を検討する。作用点の解明を進めると共にSOX9発現増強に関わる上流の因子の特定を急ぐ。細胞分化時期により働く作用が異なる事から因子の候補は予想されている。その因子のsiRNAによる発現抑制あるいは発現増強により今回の薬剤の作用変化を検討する。この因子の関与を確実なものとすれば、この因子の発現増強による疾病治療法の可能性を再度検討する。更にこの因子の上流に作用点を持つと考察するのでそれを解明する。当初の予定とは異なっているが、新たな関節症、内軟骨性骨化に関わる因子とそれを発現増強する物質を見出した。これの作用解明を急ぎ、臨床応用への道を探る。
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[Journal Article] Mutations in PCYT1A, encoding a key regulator of phosphatidylcholine metabolism, cause spondylometaphyseal dysplasia with cone-rod dystrophy.2014
Author(s)
Hoover-Fong J, Sobreira N, Jurgens J, Modaff P, Blout C, Moser A, Kim OH, Cho TJ, Cho SY, Kim SJ, Jin DK, Kitoh H, Park WY, Ling H, Hetrick KN, Doheny KF, Valle D, Pauli RM.
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Journal Title
Am J Hum Genet.
Volume: 94(1)
Pages: 105-12
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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