2014 Fiscal Year Research-status Report
心前負荷の指標としての左心室拡張終末期容量(Ved)のモニタの開発
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26670682
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
重見 研司 福井大学, 医学部, 教授 (00206088)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 心電図 / 動脈血圧波形 / 心音図 / 平均血圧 / 最低血圧 / 等容量収縮時間 / 駆出時間 / 左心室動脈結合状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、侵襲が小さく日常的な生体バイタルサインモニタで得られる、心電図、動脈圧波形および心音図から、平均血圧、最低血圧、等容量収縮時間、駆出時間を求め、これらをパラメータとして左心室動脈結合状態を計算し、左心室のアンストレスとボリュームがゼロであるという前提で、左心室拡張期容量を計算するものである。今期の実績として、まず、動物実験にて収縮末期血圧を使用する近似式が定められていたが、これを平均血圧で代用する方法を確立した。続いて、動物実験によるパラメータの左心室動脈結合状態関係式と、ヒトから得られたパラメータを用いた同関係式の比較を行った。現在、ヒトの関係式の確立を検討中である。一方、本方法の欠点として、1セットのパラメータの組み合わせによる計算結果の値のばらつきが大きく、その精度向上を検討した。その結果、一心拍毎の連続測定により、一定期間の平均値を求める方法の有用性が示され、連続測定装置を自作中である。現在、試作機が完成し、臨床試用直前の段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
左心室拡張末期容量を計算するには、左心室動脈結合状態が計算できなくてはならない。左心室動脈結合状態に関する研究結果は、別紙のとおり、各方面の国内海外学会にて発表し、それを踏まえて、和文・英文の報告書を執筆・投稿中である。一方、その結果の運用面では、臨床モニタとして使用できるか試用直前の段階である。これと平行して、左心室拡張末期容量を計算するプログラムを追加して組み込み、新たにその値をトレンドとして表示させる計画も進行中である。おそらく、次年度には目的が達成されると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、左心室動脈結合状態をモニタする試作機を2台自作した。これは、パソコンにカード型A/Dコンバータを介してデータを採取するもので、今後、全手術室10部屋と集中治療室10部屋に装備する予定である。しかし、現在、カード型は販売終了しており、USB接続型のA/Dコンバータを使用する予定である。そのため、プログラムの改編に時間を要すると考えられる。平行して、完成した試作機を用いてデータを収集し、その有用性を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
試作によって必要物品を確定する必要があった。カード型A/DコンバータからUSB接続型A/Dコンバータに移行する必要が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
左心室動脈結合状態および左心室拡張末期容量モニタの試作機の仕様が確定次第、全数20セットを用意するために必要物品を購入する計画である。同時に、研究結果を発表するための学会参加費や論文作成経費にも予算を必要とする計画である。
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Research Products
(7 results)