2014 Fiscal Year Research-status Report
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26670683
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
三田 建一郎 福井大学, 医学部, 特別研究員 (30529342)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | イオンチャネル / 麻酔薬 / 脂質仮説 / 側方圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
本実験の目的は、麻酔薬のメカニズムとして提唱されている脂質膜の脂質仮説を検証することである。膜の側方圧を変化させた時に、イオンチャネルのゲーティングがどのように変化するのかを定量的に測定することである。側方圧を直接測定することはできないため、膜にかかる張力を代用することとした。 リポソームパッチ法では、微小ガラス管を用いて行うため先端が非常に細くなる。顕微鏡でガラス管内を確認しようとしたが、管内に張られた脂質膜の変化を確認することができなかった。膜の側方圧の代用として膜張力を使用する計画だったが、膜の変化を確認することができなければ定量化ができないこととなる。 そこで、最近開発された脂質バブル法を用いることとした。二本のガラス管先端に脂質バブルを形成し、そのバブル同士を接着させることで脂質二重膜を形成する。リポソームパッチ法のようなガラス管内にできる二重膜と比較して、ガラス管先端に形成されるバブル同士からできあがる二重膜は面積が広く、顕微鏡での観察が容易となった。バブルの直径を測定することで、形成される二重膜の曲率を求めることができるが、二つのバブルの直径をどのように変えても算出される曲率はほとんど変わらなかった。これは、膜張力を有意に変化させることはできないことを意味する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、リポソームパッチ法を用いる予定であったが、膜の張力変化を膜の曲率から求める際に、顕微鏡を用いてもあまりにも微小であるため、ほとんど計測できなかった。そのため、リポソームパッチ法に代わる方法を新たに用いる必要があった。実験システムを構築し、バブル形成に習熟する必要があった。バブルは、直径は非常に計測しやすくなったが、大きい分だけ非常に安定性が弱く、簡単に壊れてしまう。
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Strategy for Future Research Activity |
形成されたバブル内にイオンチャネルを組み込み、安定した電流計測ができるようにする。 バブル同士で形成される脂質二重膜では曲率はほとんど変化させることができないため、曲率を変化させることのできる生体物質を脂質に混合させ、曲率を容易に変化させる。その元で、さまざまな曲率のもとでのイオンチャネルの電流を計測し、ゲーティングを定量測定する。
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Causes of Carryover |
当初、リポソームパッチ法を用いて、形成される脂質二重膜に圧制御を加えて膜の曲率を変化させる予定だった。しかし、種々の理由により本方法が計測に非常に困難であることがわかり、別の方法を用いる必要があった。この方法に習熟する必要があったため、圧制御装置を使用して計測するまで進展しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
脂質バブル法を用いるが、この実験システムに圧制御装置を組み込めるようにシステムを改良する。組み込みができ、安定した電流計測ができることを目標とする。この目標達成のため、次年度使用訳は、圧クランプ装置などに使用する。
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Research Products
(1 results)