2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a sound communication tool for pain
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26670689
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中江 文 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授(常勤) (60379170)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 痛み / サウンド |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はサウンドに対する感じ方と性格傾向の関係を明らかにする目的で、痛みをもった慢性痛患者に対して行ったNEO-FFI(個人の性格傾向を5つに分類:神経症性傾向、外向性、開放性、調和性、誠実性)を詳細に分析した。本質問表は60問の質問を、それぞれ5段階(非常にそうだ→全くそうではない)で評価していくものである。中に逆転項目と言われる質問を含み、恣意的に全ての回答に同じ数字をつけることを避けられるような構造となっている。患者では先行研究で既に明らかになっているように、Student-t検定の結果、抑うつ(p<0.005)、不安(p<0.01)、傷つきやすさ(p<0.05)、自意識(p<0.01)が健康被験者に比べ有意に低いという結果を得た。その他の具体的な例としては「劣等感を持つことがよくある」(p<0.005)、「自分が全く価値がないと感じることがよくある」(p<0.01)、「さびしくなったり、憂うつになったりすることはめったにない」(p<0.01)、「ストレスが多いと自分がめちゃくちゃになるように感じることもある」(p<0.05)であった。誠実性の下位項目では「割り当てられた仕事を、全てきちんとやるよう努めている」(p<0.05)、調和性の下位項目では「私はほとんどの人から好かれている」(p<0.05)、「人と張り合うより協力し合う方が好きだ」(p<0.05)で、患者において過剰適応の傾向が見て取れた。一方で「家族や同僚とよく口論する」(p<0.05)で先行研究に見られる家族関係の不和と痛みの相関と関連づけられる結果を得ることが出来た。
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