2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26670696
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
西山 博之 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20324642)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | FGFR3-TACC3融合 / FGFR3変異 / 癌関連遺伝子 / SNP |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は症例登録が完了し、最終的に表在性膀胱癌60例、浸潤性膀胱癌40例、転移性尿路上皮癌34例の遺伝子変異解析、FGFR3-TACC3融合解析が完了した。FGFR3-TACC3融合はRNA-ISHにより5例で検出された。FGFR3-TACC3融合の頻度は表在性3%(2/60)、浸潤性5%(2/40)、転移性3%(1/34)であった。これまでの報告ではFGFR3-TACC3融合の頻度は浸潤性では2-4%と報告されているが、表在性での報告は6%(1/17)であった1報しか存在せず、本研究ではより大きな症例数での頻度を解析する事ができた。FGFR3遺伝子の変異は表在性の45%、浸潤性の18%、転移性の3%で検出され、既存の報告における頻度は表在性40-70%、浸潤性5-20%、転移性6-18%と概ね一致する結果が得られた。FGFR3変異を含む50種の癌関連遺伝子の変異情報も既に得られており、臨床情報との相関や遺伝子の相互関係について現在解析を進めている。またIon AmpliSeq Cancer Hotspot Panel v2でターゲットとしているHotspotでの変異情報のみならず、アミノ酸変異を伴うSNPも検出されている。特にp53のP72R変異やKDR(VEGFR2)のQ472H変異が高頻度で検出されており、いずれも既知のSNPデータベース上の日本人における保有率と異なる可能性が示唆された。本研究では血液も同時に採取しているため、腫瘍で確認された変異が胚細胞由来のSNPであるか検証を進めていく。また研究開始後3年間の予後調査を行う予定であり、一部の症例はエントリー後1年以上経過しており、遺伝子プロファイルと予後との関連についての検討も引き続き進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)