2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26670708
|
Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
櫛引 俊宏 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 准教授 (30403158)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀口 明男 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 講師 (20286553)
東 隆一 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 講師 (00531112)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 尿道再建術 / 口腔粘膜組織 / 生体材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
患者の少量の口腔粘膜組織を酵素処理し、コラーゲンを架橋結合させた生体吸収性細胞足場材料(スキャホールド)上で口腔粘膜上皮細胞を培養し、シート状とした上皮細胞層をヌードマウス背部皮下に移植する異所性尿道形成に関する研究を行った。その結果、1-2週間の短期間であれば移植した上皮細胞は生着するが、それ以降は上皮細胞の生着・増殖が認められず、尿道組織再建のための上皮細胞層としては不十分であった。 そこで、in vitro細胞培養実験により、患者の口腔粘膜組織から上皮前駆細胞を単離し、細胞増殖および上皮細胞分化を誘導する因子の同定を試みた。その結果、上皮細胞増殖因子(Epidermal Growth Factor: EGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(basic Fibroblast Growth Factor: bFGF)、インスリン、トリヨードチロニンおよびヒドロコルチゾンの5因子を低カルシウム濃度の培地に添加した場合、上皮前駆細胞の長期間の維持・増殖が可能であることを発見した。これに血清を添加すると速やかに上皮細胞分化が認められた。この分化した上皮細胞は適切な培地交換を行っても1か月以上維持することができなかった。これらの研究結果から、尿道再建に必要な上皮細胞層が持続的に形成されるためには、移植部位において上皮前駆細胞が長期間維持・増殖できる機能性スキャホールドおよび細胞周囲環境(ニッチ)が必要であることが示唆された。
|
Research Products
(10 results)