2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of optical coherence tomography imaging system for analysis of follicular development in ovarian tissue
Project/Area Number |
26670712
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
阿部 宏之 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (10375199)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 裕輝 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (00333328)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 卵母細胞 / 光干渉断層撮影 / 発生 / 加齢 / 生殖医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
低コヒーレンス光干渉を利用した光干渉断層画像化法(オプティカル・コヒーレント・トモグラフィ:OCT)は、弱い近赤外光を生体に照射し、生体試料内部からの後方散乱光を高感度に検出することにより、生体試料の断層画像を撮影する技術である。本研究では、OCT技術により卵巣内に存在する卵胞を無侵襲的に画像撮影し、卵胞サイズと位置情報をイメージングできる高感度計測システムの開発を目的とした。平成28年度は、前年度までに開発したドップラーOCT技術の有用性を評価するための生物学的解析実験を行った。具体的には、卵母細胞の細胞質で検出される光散乱像と生物活性との関連を調べた。マウスの新鮮卵巣とホルマリン固定した卵巣のドップラーOCT観察を行った結果、固定した卵巣では光散乱像は全く観察されなかった。次に、長時間保存した卵巣のOCTイメージングを行った結果、保存時間の延長に伴い光散乱像は減衰することがわかった。これらの結果から、ドップラーOCTシステムにより観察された高輝度シグナルは、卵母細胞の生命現象に伴って発生するものであることがわかった。さらに、2年齢マウスから採取した卵巣を観察した結果、光散乱像がほとんど認められず、卵巣内には卵母細胞がほとんど存在していないことがわかった。以上の結果から、本研究で開発したドップラーOCTシステムは、高輝度シグナルを指標に卵巣内に存在する卵母細胞の定量化とクオリティーの評価に有効であることが示された。
|