2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26670731
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
宮本 新吾 福岡大学, 医学部, 教授 (40209945)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | CD36 / 中和抗体 / 卵巣癌 / 乳癌 / 胃癌 / HB-EGF |
Outline of Annual Research Achievements |
CD36は細胞膜2回貫通型の受容体で、酸化LDLやThrombospondinなどが結合する。CD36は細胞表面に表現されているため、中和抗体を作製することが可能です。CD36の中和抗体を作製するために、ヒトCD36発現ベクターを作製し、マウスNIH3T3細胞に遺伝子導入しました。これにより、ヒトCD36を細胞表面に発現したNIH3T3細胞を作製し、CBマウスの腹腔内にアジュバントとおもに注入し、免疫を行いました。脾臓を摘出後に細胞をマウス形質細胞と細胞融合してHybridoma Libratryを作製、Hybridomaにより産生された抗体を含む上清を用いて、結合能のスクリーニングを行い、46株の抗ヒトCD36抗体を産生するHybridomaを得ました。この上清を用いて、中和活性のスクリーニングを行いました。卵巣癌細胞株を抗CD36抗体を含む培地で培養すると、1種類の上清で細胞株の増殖能が抑制されました。また、CD36は酸化LDLと結合することにより、Srcを介してNRF2を活性化し、HB-EGFの転写を活性化することがわかっています。そこで、ヒトCD36遺伝子を導入したマウスNIH3T3細胞にHB-EGFのプロモーター配列をルシフェラーゼ遺伝子の上流に挿入したレポーターベクターを遺伝子導入し、得られた抗体の中和活性を検討しました。ヒトCD36遺伝子を導入したマウスNIH3T3細胞ではヒトCD36遺伝子を導入していないNIH3T3と比較し、酸化LDL添加による発光強度の増強が減弱しました。これによりCD36中和抗体が得られました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
得られた中和抗体のモノクローナル抗体を大量精製に取り組んでいます。また、浮遊培養システムを用いて、精製した抗体の中からがん細胞増殖活性を抑制する抗体をスクリーニングしている。
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Strategy for Future Research Activity |
モノクローナルな抗CD36中和抗体の作製を継続し、最も中和活性が高かった抗体を大量精製していきます。モノクローナル抗体作製後は非臨床試験を行います。CD36を発現する卵巣癌、乳癌、胃癌などの細胞株を用いて免疫不全マウスに皮下腫瘍および腹膜播種を形成させ、精製したCD36中和抗体を投与し、腫瘍増殖抑制効果を検討します。現在、ファージディスプレイを用いた抗体の作製にも着手予定です。さらに、これまでの研究成果の論文作製も開始しています。
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