2017 Fiscal Year Annual Research Report
autoantibody-targeted proteomics for recurrent pregnancy loss
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26670735
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Research Institution | Osama Woman's and Children's Hospital |
Principal Investigator |
和田 芳直 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所), その他部局等, 母性内科・非常勤 (00250340)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自己抗体 / 不育症 / 自己免疫疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
反復する流産、死産、早期新生児死亡や繰り返す胎児発育不全の原因として染色体異常・子宮形態異常・内分泌異常・血液凝固異常・免疫異常・感染症などがあげられるが半数以上は原因不明である。原因を特定できない症例には有効な治療を実施できないか、エビデンスが希薄な治療を選択せざるを得ない状況である。一方、確立された不育症の原因として免疫異常が挙げられ、特に、全身性エリテマトーデス等の膠原病に見られる各種の抗リン脂質抗体が知られているが、抗核抗体陽性等により自己免疫現象が推測されるものの抗リン脂質抗体を保有しない症例も多く、そこには他の自己抗体が原因となっている症例が相当数あると推測されている。 そこで、不育症の原因としての抗トランスグルタミナーゼ(TG2)抗体の可能性を探索するため、不育症の原因となりえることが既知の自己抗体を有さない不育症患者12名について、INOVA社QUANTA lite ELISAキットにより血清IgGおよびIgA抗TG2抗体を分析したが、陽性者はなかった。 次に、全身性エリテマトーデス52名およびシェーグレン症候群患者31名の血清を探索したところ、それぞれの群の各1名がIgG抗体陽性であった。上記ELISAが実際に抗TG2抗体を検出しているかを、自家にて作成したリコンビナントTG2を抗原とするウェスタンブロッティングにより確認したところ、対照に比して有意にTG2への結合が見られた。これらの患者は流産歴をもたず、また、セリアック病様の消化器症状はなかった。 以上の結果から、抗TG2抗体は時に他の自己抗体と並立するかたちで保有する場合があることがわかった。しかし、抗TG2抗体が不育症の原因となることについて、結論を得ることはできなかった。
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