2015 Fiscal Year Annual Research Report
古細菌型ロドプシンを用いた網膜のON,OFF光受容システムの構築
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26670750
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
富田 浩史 岩手大学, 工学部, 教授 (40302088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 江里子 岩手大学, 工学部, 准教授 (70375210)
田端 希多子 岩手大学, 工学部, その他 (80714576)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生理学 / 悩・神経 / 再生医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究において、NpHRは網膜で充分機能せず、その原因の一旦は細胞膜への移行性が極端に悪いことが関係していると推察された。本年度は、NpHRの細胞膜への移行性を高めるために、NpHRの遺伝子の改変を行った。 NpHRを細胞膜に移行させるために、NpHRのN末領域に、細胞膜への移行を高めることが知られているNeuromodulinのN末の20アミノ酸を付加した改変型NpHRを作製した(N20-NpHR)。N20-NpHR遺伝子を含むプラスミド発現ベクターを構築し、HEK293細胞にエレクトロポレーション法により導入した。導入した細胞を共焦点レーザー顕微鏡で観察し、発現部位を同定するために、三次元立体画像を構築した。その結果、細胞膜にも発現が見られたもののその多くは細胞質内に顆粒状に存在することが明らかとなった。また、遺伝子導入した細胞をER tracker(小胞体を蛍光標識)で標識したところ、N20-NpHRは小胞体に多く存在することが示された。このように、NeuromodulinのN末の20アミノ酸の付加によっても細胞膜に局在させることが出来なかった。さらに、ボルボックス由来チャネルロドプシン-1の細胞膜への局在化に使用した配列を付加した改変体ClNpHRを作製し、同様の手法を用いて発現部位を調べたが、局在に変化は無く、細胞膜へ局在化させることができなかった。NpHRのアミノ酸配列内に細胞膜への移行を妨げる配列が存在すると仮定し、検索を行ったところ、2つの候補配列が見出され、これらの配列を削除、あるいは置換することによって、局在を変えることが出来るかを検討中である。 以上のように、研究期間内に目標を達成することが出来なかったものの、NpHRを高機能化するための新しい戦略が生まれ、引き続き検討し、目標を達成を目指す。
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[Book] 光学2015
Author(s)
冨田浩史、菅野江里子
Total Pages
7(433-439)
Publisher
日本光学会
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