2014 Fiscal Year Research-status Report
筋肉内静脈網を利用したNeurotization~培養シュワン細胞の血管内遊走
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26670767
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
古川 洋志 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00399924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 利彦 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (00432146)
山本 有平 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70271674)
小山 明彦 北海道大学, 大学病院, 講師 (70374486)
村尾 尚規 北海道大学, 大学病院, 助教 (90706558)
七戸 龍司 北海道大学, 大学病院, その他 (30640346)
舟山 恵美 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10533630)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | neurotization / 末梢神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
<目的>神経再建において、筋肉内の静脈ネットワークが軸索再生の足場と成りうるかを動物実験モデルで示す。 <現在までの経過>当初のモデルは、脱神経処理を行ったラット広背筋に対し胸背神経の近傍を走行する胸背静脈を切断、その末梢断端の管腔内に胸背神経の中枢端を差し込み静脈内の軸索伸長を観察するモデルを考案していた。ラットを用いてモデル作成を試みたが、実際にモデルを手術で作成することが困難であり、その要因は①胸背静脈が細い、②胸背神経の分岐が複雑、の2点であった。そこで、手術を行う対象を広背筋から腓腹筋に変更し、静脈は膝窩静脈、神経は脛骨神経を用いてモデル作成を行った。この対象組織であっても静脈、神経が非常に細いことには変わらないが、神経の分岐が比較的すくないため対象を選定しやすいというメリットがあった。このモデルでも静脈が細く、静脈内へ神経束を挿入することはできなかったため、静脈の断端と神経の断端を接するように縫合することで新たなモデルとした。術後1か月で腓腹筋と膝窩静脈の末梢部を採取し観察した。腓腹筋は健側とくらべ明らかに萎縮していた。静脈内の軸索伸長を検出するためにNF-Hの免疫染色を行ったが静脈管腔内には軸索が確認できなかった。原因の一つとしては、縫合部周囲の結合組織などが縫合面に挟まり軸索伸長の邪魔をした可能性などを考えている。 また、評価法としてのCMAPの検出法についても電極をカスタマイズしつつ最適な方法を検索中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の実験計画のモデルの作成が困難であり、新たな実験モデルの考案からやり直す必要があった。新たなモデルにおいても仮説を示すような所見は現在のところ認めておらず、今後もさまざまな検討が必要な状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
手術手技的に実現可能な実験モデルの開発が必須である。現在のモデル作成の手技の向上を進めると同時に他のモデルも考えていく必要がある。評価法についても新に作成したモデルに応じた方法を検討していく。
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Causes of Carryover |
初年度は電気生理学的検査の機器の購入等、まとまった予算の使用があったため、あらかじめ計画的に残りの予算を使用する計画で進め、モデル作成や標本作成に残りの予算を使用後の残金は8,281円であった。概ね予定の予算内で研究を進めることができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残金はH27年度も継続する本研究の予算にあてる。 具体的には評価のための抗体や、消耗品である電極の購入等にあてる予定である。
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