2014 Fiscal Year Research-status Report
細胞外基質の硬度が瘢痕・ケロイドの発生に関与していることの証明
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26670777
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
去川 俊二 自治医科大学, 医学部, 講師 (90324194)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ケロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト検体の初代培養より得たケロイド由来皮膚線維芽細胞(以下KeF)と白色瘢痕由来皮膚線維芽細胞(以下WSF)それぞれ10株ずつを研究に用いた。まず予備実験として、コラーゲン1にてコーティングされた硬度可変ハイドロゲルディッシュにおける皮膚線維芽細胞の培養条件を検討した。0.5, 1, 5, 10, 50kPaのディッシュ上にてKeFとWSFを培養して、播種する細胞数と培養期間を決定した。 続いて、KeFとWSFをそれぞれ硬度2kPaと50kPaのハイドロゲル上で1週間培養した後、RNAを抽出し、qRT-PCRにてコラーゲン1の遺伝子発現を解析した。しかし、KeFとWSFにおける遺伝子発現に一定の傾向を認めることが出来なかった。そこで、用いているKeFとWSFを通常のディッシュ上にて継代した上で、コラーゲン1の遺伝子発現をqRT-PCRにて解析した。すると、KeFの中にもWSFと同等のコラーゲン1の発現しか認めない株が存在した。これはケロイド由来線維芽細胞のheterogenicityが原因、すなわち初代培養の過程においてケロイドの形質を有しない線維芽細胞が選択的に増殖してしまったためと考えられた。そこで、qRT-PCRにおいてコラーゲン1の発現が特に高いKeF3株とコラーゲン1の発現が低いWSF3株を以下の実験に用いることとした。 選別したKeF3株とWSF3株をそれぞれ硬度2kPa, 50kPaのハイドロゲルディッシュと、通常のディッシュ(GigaPa)で1週間培養した後、RNAを抽出し、qRT-PCRにてコラーゲン1、コラーゲン3,ファイブロネクチンの遺伝子発現を解析した。その結果、KeFの方が足場の硬度によりsensitiveであることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
硬度可変ハイドロゲルディッシュにおける皮膚線維芽細胞の培養条件の設定に難渋して、大量の硬度可変ハイドロゲルディッシュと培養液を使用することとなり、時間・資金共に足りなくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き硬度可変ハイドロゲルディッシュを用いた培養実験を行う。KeF、WSFを硬いディッシュと軟らかいディッシュそれぞれで長期間培養し、マーカー遺伝子の発現パターンに不可逆的な変化が現れるかどうか解析する。
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