2014 Fiscal Year Research-status Report
X線ムービー・近赤外線マルチイメージングによる救急医療の質的向上
Project/Area Number |
26670784
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
粂井 康宏 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (30161714)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 克也 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 開発員 (30425780)
高木 清 東京大学, 生産技術研究所, 研究員 (40197059)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 近赤外光 / X線動画 / 生体イメージング / マーモセット / 胎児診断 / 新生児診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
軽量コンパクトで、移動が容易な『救急医療用生体マルチイメージング装置』の動物用モデルを開発する。マイクロフォーカスによって高精細化されたX線ムービーと近赤外光を利用した生体イメージングの両機能を持たせる。X線あるいは近赤外光の単独、あるいは両方同時使用によりマルチイメージングも可能な、利便性の高い装置となる。関節や骨格の運動のみならず、心臓や横隔膜の動きをX線ムービーで確認しながら、同時に血管障害部位の酸素欠乏状態をリアルタイムで精査することができる。災害時や孤立した遠隔地でCT, MRI,PETなどが使えない状況でも、救急医療の質的向上、量的改善に役立つモデルとする。平成26年度は、ブロックダイヤグラムを作成し、それに基づき、システム全体像と具体的装置組み立ての設計を行なった。申請時当初は、当該年度で要素技術を固める予定であったが、下記載の理由により、未達成の状態となった。そこで、研究の本来目的を達成するために、時間を要する心筋梗塞モデル作成に替わって、小型霊長類マーモセットの出産の機会を利用し、胎児や新生児の血液循環状態をX線動画と近赤外光カメラによるマルチイメージングする『救急医療用生体マルチイメージング装置』として開発する内容に急遽予定を変更し、すでにマーモセット雌雄の飼育を開始し、妊娠状態を成立させた。現在、8月初めに出産の予定であり、この時機に合わせて、生体マルチイメージング装置のシステムコンポーネントを製作中である。近赤外線(700~900nm)において酸素化および脱酸素化ヘモグロビンの吸収散乱スペクトルの違いを利用して、血管障害部位における酸素化あるいは脱酸素化ヘモグロビンを区別して計測し、可視化する技術を開発する。これらの要素技術によって、X線ムービー単独、あるいは近赤外光イメージング単独、あるいは両方同時に、という3通りの選択が自由にできる、利便性の高いシステムとなる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が悪性疾患(ガン)に罹患していることが判り、3ヶ月間連続の放射線治療などのために相当時間が費やされたため、当初予定より若干遅延気味である。
|
Strategy for Future Research Activity |
遅れを取り戻すため、マーモセット研究の専門家に研究協力者として参画してもらい、マーモセット周産期の母胎の状態や、新生児の発育状態を、研究対象のモデルとして、集中的に研究を行い、研究本来の目的を予定通り達成するための体制を整えた。これによって、これまでの遅れを一気に挽回できる。
|
Causes of Carryover |
前年度に、研究代表者が悪性疾患のため、3ヶ月間にわたる放射線治療などに時間を費やされたため、研究に専念できる十分な時間を確保することができなかった。しかし、現在は治療効果もあって、研究業務に復帰している。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
近赤外光撮影システムを購入し、既存のX線3D動画撮影システムとシステム癒合して、X線ー近赤外光マルチイメージングシステムを完成させるためのハウジング用固定装置を製作する。本システムを用いて、小型霊長類マーモセットの周産期〜新生児発育期の観察・記録を行い、救急医療用イメージングシステムとしての本装置の性能を評価する。
|