2014 Fiscal Year Annual Research Report
核磁気共鳴データのパターン認識による解析を応用した敗血症重症化早期診断法の開発
Project/Area Number |
26670787
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 崇生 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40328810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平川 慶子 日本医科大学, 医学部, 助教 (30165162)
小池 薫 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10267164)
佐藤 格夫 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30409205)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 敗血症診断 / 核磁気共鳴法 / パターン認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
京都大学医学部附属病院救急外来、および神戸市立医療センター中央市民病院救急外来を受診した20歳以上の患者で、救急受診時に敗血症(感染による全身性炎症反応症候群[SIRS])と診断された症例を対象とした。救急受診時に採取した血液検体の残余を使用し、血清を7 テスラ(300MHz)FT-NMR装置(JEOL)を用いてプロトン(1H)についてNMR測定した。Alice2 for metabolome ver2.1(JEOL)を用いて、NMRデータをフーリエ変換、位相補正、ベースライン補正等の処理を行い、観測全帯域の信号強度分布値を測定データとし、正規化等の前処理を行った上でCSV形式にて保存した。続いてこの保存したデータをUnscrambler® ver10.3(CAMO)に取り込み、主成分分析(PCA)によるデータの可視化を行った後、PLS-DA法によるクラス分類を行った。 ⅰ)診断時重症敗血症、ⅱ)診断時非重症敗血症で後に重症化、ⅲ)診断時非重症敗血症で重症化せず軽快、の各グループの識別が可能か否かを解析する予定であったが、ⅱ)診断時非重症敗血症で後に重症化、のグループの検体が十分集まらなかったため、ⅰとⅲの識別が可能か否かの検討を行った。その結果、PLS-DAのスコアプロット上で、各サンプルのスコア値は、グループごとにクラスター化する傾向を示した。 この結果から、少なくとも本研究の手法により、救急受診時の血清で重症敗血症と非重症敗血症を鑑別できる可能性が示された。これは新たな重症敗血症の診断法につながる重要な成果であると考えられる。
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