2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of useful biomarkers for diagnosis of septic shock by using a new method for peptidome analysis
Project/Area Number |
26670794
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
若林 一郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70220829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸茂 幹雄 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (40333950)
小谷 穣治 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80360270)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 敗血症 / ショック / 播種性血管内凝固症候群 / ペプチドーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
重症敗血症に合併する循環不全(ショック)は患者の予後を大きく左右するが、その病態生理には不明な部分が多く、その治療も確立していない。そこで本研究ではBLOTCHIPを用いた新しいペプチドーム技術を用いて、敗血症における体液性因子としての血中ペプチドを網羅的に解析した。対象者は敗血症患者20名で年齢は68.9±11.4歳、APACHE IIスコアは26.2 ±8.9、SOFAスコアは5.7±4.2であった。このうち、ショックを併発した患者は10名であり、播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併した患者は8名であった。そこで、BLOTCHIP―MS法によりショックの有無の2群間およびDICの有無の2群間で血中ペプチドのディファレンシャル解析を行った。各MSピークの高さおよび面積について比較したところ、ショックの有無に関しては64個のピークで、またDICの有無に関しては63個のピークで有意差を検出した。さらに平均積算スペクトルを算出して各MSピークの形状および強度を精査したところ、ショックの有無では16個のMSピークを、DICの有無では13個のMSピークをマーカー候補として選抜した。さらにショックおよびDICに関して2~6ピークの組合せを作成し、ROC解析を行いauc = 1となる組合せを求めたところ、DICに関しては4ピークの組合せ11組が見つかった。一方ショックに関してはauc = 1となる組合せは見つからなかった。DICに関するペプチドの中で出現頻度が高いm/z = 2743、2862、2886、2903、3589について精密質量測定を試行し、さらにMS/MS構造解析を行ったところ、2種類のペプチドについて帰属が明らかになった。すなわち、それぞれいずれも27個のアミノ酸から成るα-2 HS glycoproteinとfibrinogen β chainであった。本研究ではショックに関する新規ペプチドの発見には到らなかったが、敗血症の予後に大きく影響するDICの早期診断への応用が期待される2種類のペプチドを発見した。
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