2015 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学的手法によるHLAタイプ改変iPS細胞の作製技術開発
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26670799
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
手塚 建一 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50236973)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯髄細胞 / iPS細胞 / HLA / 次世代シーケンサー / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、平成26年度までに作製した遺伝子改変iPS細胞(iPS-DP144')を、次世代シーケンサー対応の2種類のHLAタイピングソフトを用いて解析し、オリジナルの歯髄細胞(DP144)との比較を行った。 DP144はHLA-Aのみがヘテロ(A*02,33;B*44,-;DRB1*13,-)であり、HLA-A*02をノックアウトすることで日本人の出現頻度第2位のHLAハプロタイプについて、擬似的に3ローカスハプロタイプホモの細胞を得ることが出来ると考えられた。そこでHLA-A*02のExon2またはExon3領域を特異的に切断するよう設計されたZFNを利用して、Exon3に変異を導入したDP144へ、センダイウイルスベクターを用いた山中因子の導入によるiPS細胞誘導を行い、3ラインのiPS細胞クローン(iPS-DP144’-1,2,3)が得られた(昨年度実績)。iPS-DP144'とDP144のDNAをタカラバイオ社に送付し、NGSによるDNAシーケンスを行った。 Conexio Assign v1.0 TruSight HLA Analysis SoftwareによるHLAタイピングの結果をiPS-DP144’とDP144で比較すると、HLA-AはiPS-DP144’がA*33:03:01のホモ、DP144はA*02:01:01:--とA*33:03:01のヘテロとタイピングされた。一方、Omixon HLA Twinでは、iPS-DP144’のHLA-Aは両アレルがA*33:03:01と検出されたものの、片側のアリルについては要解析の指示が出た。またiPS-DP144’ではHLA-A*02の検出はされず、それはHLA-Aにマッピングされたリードの塩基配列でも確認された。 汎用ソフトを用いてHLA-AのExon2からExon4までの領域について、DP144に対するiPS-DP144'のカバレッジの比を取ると、Exon2やExon4と比べてZFNのターゲットサイトであるExon3領域の比の値が大きく減少していたことから、iPS-DP144’ではDP144と比較して、Exon3に何らかの構造変化が起きている可能性が考えられた。
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