2014 Fiscal Year Research-status Report
歯周病細菌の病原性に関わるCTD含有タンパク質結合陰イオン性LPSの生合成の解明
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26670804
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中山 浩次 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (80150473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 雅仁 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (30333537)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯周病 / 細菌 / LPS |
Outline of Annual Research Achievements |
P. gingivalisにおけるA-LPSの生合成機構の解明 (1)血液寒天培地上で黒色集落を形成しないHG66株はA-LPSを欠くことが以前の研究でわかっていたが、その株に野生型のwbpB遺伝子を導入するとA-LPSの形成が復帰し、黒色集落を形成することがわかった。さらにHG66のwbpB遺伝子にナンセンス変異があることがわかった。P. gingivalisにもWbp経路が存在することが示唆されたのでwbpDのホモログであるPGN_0002の変異株を作製した。この変異株も同様な性状を示したことからこのWbp経路で合成される糖がA-LPSに存在する可能性が示唆された。 (2)いままで解析した糖代謝に関係する変異株はO-LPSおよびA-LPSの両方のO側鎖を欠くものかA-LPSのみ欠くものであり、O-LPSのみ欠く変異株は得られていない。そこでゲノム解析の結果からglycosyltransferaseをコードすると思われる15の遺伝子について変異株の分離を試みた。13遺伝子については変異株が作製できた。2遺伝子については作製できなかった。13変異株のなかで3遺伝子の変異株は糖鎖合成に不全がみられた。そのうちの2遺伝子はアミノ酸配列の類似性が高いことから2重変異株を作製した。これらの変異株においてもO-LPSのみ欠く変異株は得られなかった。このことはO-LPSのO側鎖合成とA-LPSの側鎖合成は極めて類似しているが、A-LPSの側鎖にはさらに糖が付加されており、その糖の生合成系(Wbp経路がそれに該当する)あるいはその糖を側鎖に導入する酵素の欠損株ではA-LPSのみ欠くことになるという作業仮説が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果をScientific Reportsに掲載した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究はおおむね順調に進行しており、当初の研究計画を変更せず、実施する。
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Causes of Carryover |
試薬などの消耗品の教室在庫があり、使用期限の関係からそれをおもに使用したため、未使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に実施する糖鎖の化学組成の実験等の試薬費の一部に充てる。
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Research Products
(3 results)