2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26670818
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 智彦 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (50510723)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 炎症 / インフラマソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周疾患、骨関節疾患、代謝性疾患などの疾患の発症に炎症の慢性化が関係することが知られている。近年、慢性炎症が関係する疾患の発症にインフラマソームと呼ばれるタンパク質複合体が関連することがわかってきた。NLRP3が構成するインフラマソームは、歯周組織、骨芽細胞、破骨細胞、軟骨細胞、脂肪細胞などにおいても発現し、各々の細胞が関係する疾患への関与が示唆されているが、その実態の解明は進んでいない。本研究では、骨代謝、関節疾患ならびに骨破壊性歯周疾患の発症過程におけるインフラマソームの役割と分子制御機構を明らかにすることを目標とした。骨軟骨組織に着目し、細胞種特異的なインフラマソームの探索を行った結果、破骨細胞においてインフラマソーム関連因子が発現していることが判明した。マクロファージなどの免疫関連細胞と同様に、破骨細胞においてもインフラマソーム関連因子はLPS刺激等に反応して発現誘導されることから、破骨細胞においてもインフラマソームが機能を有することが想定された。そこで、免疫細胞においてインフラマソームを活性化させる刺激を負荷したところ、破骨細胞においてもインフラマソームが活性化することを見出した。インフラマソームの活性化で産生されるIL-1bは破骨細胞の骨吸収活性を上昇させることから、歯周疾患、骨関節疾患などの慢性炎症時において破骨細胞のインフラマソームの発現および活性化が病態の重篤化に関与する可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)