2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26670828
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
井上 孝 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20125008)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 根尖病巣 / 再生医療 / 足場 / 歯髄 |
Outline of Annual Research Achievements |
仮説を証明する為の研究として、1590例の根尖病巣の病態解析を行い、根管充填材や根管治療薬と考えられる異物が223例 (14.0%)、標本内に細菌や真菌などの微生物塊が観察されたものは172例 (10.8%)、セメント質や象牙質、感染性硬組織を認めたものは202例(12.7%)で、あった。免疫組織学的に、細菌感染がある症例では高いディフェンシンの発現がみられ、硬組織片や異物が存在する症例ではマクロファージ由来の CD68 陽性細胞が顕著にみられた。Ki67陽性細胞は、微生物塊群で基底細胞、棘細胞に陽性を示した。P53陽性細胞も、微生物塊群で基底細胞および棘細胞に陽性を示した。また、歯根嚢胞の裏装上皮は高い細胞増殖能と腫瘍原性潜在能を持つことが示唆された。このことから、本実験の必要性が証明された。ビーグル犬を用いた実験では、窩洞の形成、病巣作製、歯髄細胞を含むゲル充填を行ったが、一部にセメント質および歯根膜の再生をみたものの、全体的なものではなかった。 また、充填するゲルの実験として、Concentrated growth factor(CGF)は白血球・血小板由来の成長因子を含む完全自己血由来のフィブリン生体材料の一つで、骨再生への応用が期待されている。実験として、フィブリンを有するCGFとplatelet-poor plasma gel(PPP gel)をラット血液から生成し、ラット骨髄細胞を各試料上に播種し、無血清培地を用いて培養した。In vivoでは、ラット頭蓋骨に直径3。8mmの骨欠損を作製し、CGFを移植した。CGFのフィブリンおよび可溶性因子はin vitroにおいてラット骨髄細胞の初期伸展、増殖、骨芽細胞分化を促進し、in vivoにおいてラット頭蓋骨欠損の骨治癒を促進する。今後、本実験へのゲルの応用を試みる段階に入った。
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