2015 Fiscal Year Research-status Report
周辺構造モデルを用いた顎関節症患者の長期予後解析による予防・治癒寄与要因の解明
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26670832
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石垣 尚一 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (40212865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢谷 博文 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (80174530)
新谷 歩 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00724395)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 顎口腔機能学 / 臨床疫学 / 顎関節症 / 慢性筋痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
顎関節症治療後の長期予後については,従来様々な治療方法の比較という観点から評価が行われている.ただし,これらの研究は非可逆的な咬合治療や外科治療を含むものが多く,近年世界的にコンセンサスが得られている患者指導や病態説明を中心とした治療を受けた均質な患者集団を対象とした評価は行われていない.そこで,このような患者を対象とした長期予後を解析し,患者指導や病態説明を中心とした治療に対するコンプライアンス,患者の満足度,患者自身の意識や行動の変革などを,臨床所見やQOL,ADL と合わせて周辺構造モデルを用いて時間変動を含む交絡を調整して解析することにより,顎関節症の予防や治癒への寄与因子を解明することを目的とした. 平成27 年度には,平成26年度に実施した,実際に調査を開始する前に,臨床統計疫学の専門家(研究分担者)とともに,周辺構造モデル解析に用いるためのアンケート内容や,量的変量,質的変量の設定,解析方法の検討に基づき,2003 年4 月~2008 年3 月来院患者(7~11 年経過症例)に対するアンケート発送,回収,および解析を開始した.また,2009 年4 月~2013 年3 月来院患者(2~6 年経過症例)に対するアンケート発送,回収,および解析の一部もあわせて開始した. 調査項目は,1) 治療効果の自己評価,2) 治療効果の満足度,3) 治療に対するコンプライアンス,4) 途中未来院となった場合はその理由,5) 現在の疼痛強度,6) 疼痛部位,7) 疼痛の悪化因子,8) 開口量,9) 顎関節雑音の有無,10) ADL,11) 生活習慣,12) 現在治療の必要性を感じているかどうか(5 段階評価),13) SCL-90-R.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度に予定していた以下の項目はすべて完了し,第1弾ののアンケート発送および回収を終えることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度には,第2弾のアンケート発送作業も一部開始することができたため,引き続き残りの対象者に対する調査を継続し,アンケート結果の解析,学会発表,論文投稿を行う予定である.
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Causes of Carryover |
平成27年度に第1弾のアンケート発送作業を行ったところ,研究参加に対する同意が得られた患者数が予想よりも少なかったため,謝金の支払い予定額が下回った.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
第2弾のアンケート発送をすでに開始しており,研究計画通りに進行できる予定であるため,平成28年度の必要経費(謝金含む)として執行予定です.
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