2014 Fiscal Year Research-status Report
厚みのある細胞-リン酸カルシウム複合組織体作製と骨再生治療への応用
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26670846
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
穴田 貴久 東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (30398466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 治 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (60374948)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生体材料学 / 細胞培養デバイス / 間葉系幹細胞 / リン酸カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
生体外における三次元細胞組織体構築は、組織再生工学における重要課題のひとつである。しかし、通常細胞を生体外で100マイクロメートル以上の厚みに積層すると内部酸素不足により壊死が起こることが問題点である。本研究は、独自開発した酸素透過性培養器を基盤とし、細胞塊中の壊死抑制と細胞・リン酸カルシウム材料複合化を行う。すなわち、生体外で「活きが良く、骨再生材料と複合化された細胞組織体」を構築する技術を提案し、骨再生治療へと応用を図る。当該培養器を用いることで肝癌細胞の場合、直径600マイクロメートルの細胞塊でも壊死がほとんど起こらないことを見出している。 26年度は酸素透過性培養器に間葉系幹細胞(MSC)株を播種し、培養器および培養条件の最適化を図った。骨芽細胞分化を培養器を用いて最適化した後、リン酸カルシウム材料OCPとの複合化を行った。OCPは細胞と同等の大きさ(約50マイクロメートル)に整粒して用いた。MSCを培養器を用いて三次元培養することで通常の平面培養に比べて骨芽細胞分化が促進する知見が得られた。また、細胞とOCPの混合比を変化させて培養器に播種し、MSCとOCPが自己組織的に複合化する条件を検討した結果、MSCとOCPが複合組織体を形成し、OCPにより骨芽細胞分化が促進する傾向がみられた。以上の結果より、本培養器は間葉系幹細胞の骨芽細胞分化を促進し、骨代替材料であるリン酸カルシウムと細胞との複合組織体形成に有効であることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に対しておおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
培養デバイスを用いることに寄る骨芽細胞分化への影響についてより詳細に検討を行う。また、酸素供給による代謝経路の変化などについても検討を行い、骨芽細胞分化に対するリン酸カルシウムの影響及び酸素濃度の影響について検討していく。
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Causes of Carryover |
細胞培養の種々の条件設定に時間を要したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度に購入した細胞培養用インキュベーターに低酸素培養ユニットを付け、新たな条件設定を検討する。
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Research Products
(6 results)