2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26670849
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西村 正宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (00294570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 比呂司 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40229993)
末廣 史雄 鹿児島大学, 医歯学域医学部・歯学部附属病院, 助教 (40524781)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨増生 / 顎骨 / 顎堤 / 骨膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット頭頂骨上、骨膜下に、炭酸アパタイト入りPLGA膜(炭酸アパタイトが0, 10, 30, 50%含有)をN=3で移植した。この際、骨膜を確実に剥離し、頭頂骨面を骨鋭匙で10往復ほど掻いて、炭酸アパタイトがある面を骨面において骨膜縫合した。しかし、今回製作した膜は均等に円柱状に膨張せず、炭酸アパタイトが多い部分が凸に膨張し、反対側は少し凹む状態で膨張したことから、多くの個体で、頭蓋骨頂の凸形態にフィットする形で材料が移植されなかった。そのため、回収時にはほとんどの個体で、移植材が肉芽組織で取り囲まれて頭頂骨から剥離してしまっていた。そこで、次にN=1ではあるが、移植材の凹面が頭頂骨の凸面にフィットする向きで移植を行った。この際、炭酸アパタイトは骨面とは反対側に位置した。3か月後の回収時には、結合組織が頭頂骨上に入り込まず、骨膜が拳上された。組織学的に、骨面側にはPLGAが残留しており、若干の骨増生像が確認された。骨膜側には炭酸アパタイトの顆粒が認められたが、特に炎症所見は見られない一方、骨形成も認められなかった。また、炭酸アパタイト含有量が30%, 50%と多くなるほど多くの炭酸アパタイトの顆粒の残留が認められ、増生の高さも保たれていた。前年度の膨張率の結果とも合わせると、単に骨膜を拳上するためにはPLGA単体を1週間以内に撤去することが望ましく、炭酸アパタイトを骨膜側に配置しても骨増生が見られないことが示唆された。したがって、骨増生を自発的に起こして骨膜を挙上する材料としては、炭酸アパタイトが骨面にフィットした向きにあり、骨膜側にPLGAが位置する材料が望ましいことが示唆された。
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Research Products
(2 results)