2015 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌診療への liquid biopsy の応用
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26670866
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中城 公一 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90314880)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 口腔癌 / Liquid biopsy |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、種々の悪性腫瘍おいて liquid biopsy すなわち血液中を循環している腫瘍由来遊離 DNA (ctDNA) の塩基配列を決定し、腫瘍遺伝子変異を検出することが試みられている。本研究では、口腔扁平上皮癌における liquid biopsy の可能性を検証することを目的とした。早期および進行口腔扁平上皮癌患者 (各 1 名) の原発腫瘍組織、隣接正常組織、血漿、白血球よりそれぞれ DNA を抽出し、DNA (10 ng) から AmpliSeq Cancer Hotspot Panel v2 を用いて次世代シーケンシングのためのライブラリーを作成した。つづいて、Ion PGM/Ion 318 v2 チップおよび Torrent Variant Caller を用いて 50 種類の癌関連遺伝子の 2,790 種類の変異の有無について解析した。平均リード深度は約 5,000 であった。その結果、早期および進行口腔扁平上皮癌患者原発腫瘍から TP53、PIK3CA に腫瘍特異的変異が検出された。しかしながら、ctDNA から腫瘍特異的遺伝子変異が検出されたのは進行口腔扁平上皮癌患者のみであった。ただ、その変異検出率は 0.2% と極めて低値であったためデジタル PCR 法を用いて再解析を行ったところ、腫瘍特異的遺伝子変異が再度検出された。以上の結果より、進行口腔扁平上皮癌に対して liquid biopsy が有用となる可能性が示唆された。
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