2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26670888
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
渡邊 郁哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (00274671)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 紀子 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (20333578)
田中 基大 長崎大学, 工学研究科, 客員研究員 (90420629)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 光活性 / デソシエーション / コーティング |
Outline of Annual Research Achievements |
二酸化チタンに代表される光触媒半導体材料に紫外線を照射すると光励起状態を誘導し活性酸素を生じ、その強力な酸化作用で細菌の細胞膜が破壊され抗菌性が発挿される。このメカニズムは抗菌効果のみならず、表面に存在する有機質を酸化分解蒸散することも可能で、紫外線を照射するだけで防汚効果をもたらすとして、工業界においてセルフクリーニング塗料等に実用化されている。しかしながら顕著な酸化作用故、チョーキングと呼ばれる塗膜の劣化を引き起こすことがある。すなわち光触媒効果のために含有された酸化チタンが塗料表面の汚れだけでなく、塗料成分そのものを分解してしまい酸化チタンの粉末だけがチョーク状に残留する現象であるが、このチョーキングを逆手にとり、二酸化チタンを顔料として含むレジン材料に適用すると、紫外線照射のみでレジンの分解・崩壊が起こるのではないかというのが本研究の着想点である。実験では、紫外線透過性の極めて高い、厚さ1mmの石英ガラス板上にゾルゲル法を用いて二酸化チタンの薄膜をコーティングした。化学重合型レジンを用いてコーティング面とアクリルロッドを接着し、24時間後に裏面よりガラスを介して10分間紫外線照射し、せん断接着試験を行った。その結果、紫外線照射しなかった試料の接着強さは18MPaであったのに対し、紫外線照射した試料では3MPaと著しく低下することが明らかになった。このデータは上記仮説を支持するものと考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(理由)本研究では石英ガラス板上にゾルゲル法を用いて二酸化チタンコーティング層を成膜し、化学重合レジンを用いてアクリルロッドを接着させ、紫外線を照射した接着試験片と照射しない試験片の接着強さの測定を行った。研究はおおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は成二酸化チタンの薄膜コーティング後、紫外線照射前後の表面性状の水接触核を測定することにより、紫外線照射によって光触媒が得られていることの確認と、また、二酸化チタンの薄膜に対して裏側から紫外線照射しても光触媒活性をしめすことを確認する。
|
Causes of Carryover |
継続のために端数調整なく繰り越しとした
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に試験片作製費と試験経費とする
|
Research Products
(9 results)