2014 Fiscal Year Research-status Report
ダウン症歯髄幹細胞からの骨芽細胞分化を用いた顎顔面頭蓋成長異常診断への応用
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26670891
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Research Institution | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所) |
Principal Investigator |
佐々木 康成 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), その他部局等, その他 (70332848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田谷 雄二 日本歯科大学, 歯学部, 准教授 (30197587)
新保 裕子 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), その他部局等, その他 (50724663)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ダウン症 / 骨成長 / mRNA / Ⅰ型コラーゲン / オステオネクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
ダウン症に典型的に見られる上顎骨の裂成長は、歯列咬合の不正や摂食機能障害と深い関係があるが、分子メカニズムは不明である。早期に診断を立てることができれば治療方針の立案に極めて有用である。本研究ではまず、上顎骨の劣成長を主徴とする鎖骨頭蓋異形成症をダウン症の対照疾患として用いた、この疾患は骨芽細胞分化に必須の転写因子であるRUNX2(Cdfa1)の異常によりおこるが、顎骨成長との関連は不明である。本症例の交換期抜去乳歯の歯髄からin vitroにて骨芽細胞を誘導し、骨形成マーカーであるアルカリフォスファターゼ、酒石酸耐性酸性ホスファターゼおよびI型コラーゲンのmRNAを定量したところ、健全小児の対象と比較して低下していることが示された。そこで、上顎の低形成に伴う反対咬合を有するダウン症(21番染色体トリソミー)2名と健常児2名の脱落歯(交換期乳歯)から歯髄組織を採取し、歯髄細胞を培養した。通常の維持培地と骨分化培地を用いて10日間歯髄細胞を培養後、細胞回収、RNAを抽出し、mRNAを定量した。結果として、骨関連遺伝子のⅠ型コラーゲン(COL1A1、COL1A2)およびオステオネクチンの発現が有意に上昇した。このことは、ダウン症の歯の器質などの特徴を説明するに一致した現象である一方、上顎骨の劣成長を説明するには逆の現象であり、ダウン症の骨成長の特徴については複雑かつ多数の分子シグナルの関連を調べる必要があることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ダウン症被験者からの抜去乳歯歯髄の抽出から骨のマーカー遺伝子発現の定量化に成功した。また顎顔面頭蓋規格写真分析を行い、骨成長と遺伝子発現との関連検索のための基礎データが収集できた。
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Strategy for Future Research Activity |
ダウン症の上顎骨劣成長を説明できるような骨成長マーカー遺伝子の発現低下がみられず、逆に増加している分子があったことで、顎骨成長との関連が複雑であることが分かった。また、歯の器質に関連する分子の発現増加など、当初期待していない分子と口腔内硬組織成長の関連も、歯髄から解明できる可能性もでてきた。これらのことを踏まえ、候組織成長と関連のある遺伝子発現について、ダウン症症例について網羅的に検索予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Molecular contribution to cleft palate production in cleft lip mice,2014
Author(s)
Sasaki, Y., Taya, Y., Saito, K., Fujita, K., Aoba, T. and Fujiwara, T.
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Journal Title
Congenital Anomalies
Volume: 54:
Pages: 94-99
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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