2015 Fiscal Year Annual Research Report
ダウン症歯髄幹細胞からの骨芽細胞分化を用いた顎顔面頭蓋成長異常診断への応用
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26670891
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Research Institution | Kanagawa Children's Medical Center (Clinical Research Institute) |
Principal Investigator |
佐々木 康成 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), その他部局等, その他 (70332848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田谷 雄二 日本歯科大学, 歯学部, 准教授 (30197587)
新保 裕子 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), その他部局等, その他 (50724663)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ダウン症 / 顎顔面頭蓋 / 歯髄幹細胞 / 骨芽細胞 / 発生・分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究方法 1.歯髄組織処理:インフォームドコンセントを行って得られたダウン症(21番染色体トリソミー)2名および同年齢の健常人2名の歯髄細胞を用いた。歯髄組織を洗浄後、組織片をフラスコに接着させ、血清入り培地で37℃、5%CO2、20%O2の条件下で培養を開始した。継代培養し細胞を回収後、細胞数を計測した。2.骨芽細胞分化誘導:D-MEM(low glucose)+10%FBS に①1%Ascorbic acid②1%Ascorbic acid(Takara MK430)+2%βGlycerphosphateを添加し、合計10日間培養した。3. 定量的PCR:①と②の培地条件で培養した細胞からRNAを抽出し、定量的PCRにより21番染色体上のUSP16,DYRK1A のmRNA発現、骨関連遺伝子(ALP, COL1A1, COL1A2, BMP2, RUNX2, RUNX1, RANKL, M-CSF Osteocalcin, Osteonectin, Osteopontin, Osteoprotegerin)を調べた。 研究結果 ダウン症患者において、21番染色体上のUSP16とDYRK1AのmRNAの発現が約1.5倍上昇、骨関連遺伝子のⅠ型コラーゲン(COL1A1、COL1A2)、Osteonectinの発現については有意な上昇が認められた。NFATC1はダウン症で発現が低く、ALP、M-CSFについては発現が高い傾向があった。RUNX2、BMP2については差が認められなかった。 考察 ダウン症患者において発現が高かったOsteonectinは象牙芽細胞の分化初期における形態変化や増殖、象牙質の基質形成、石灰化に関与し、骨の石灰化の際、アパタイト形成のinitiatorとして働き、アパタイトとコラーゲンを結合させる役割を持つ。同様に、Ⅰ型コラーゲンは、前骨芽細胞、骨芽細胞、骨細胞に存在する。本研究より、ダウン症の病態に骨芽細胞分化が影響していることが示された。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] 魚鱗症候群児の歯科所見,2015
Author(s)
久保寺友子、大江智可子、佐久間秀二、佐々木康成
Organizer
第32回日本障害者歯科学会総会および学術大会
Place of Presentation
名古屋国際会議場(愛知県名古屋市熱田区)
Year and Date
2015-11-06 – 2015-11-08