2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of regeneration therapy by mesenchymal stem cell from gnathic bone marrow using novel nonwoven fabric filter
Project/Area Number |
26670894
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
林 丈一朗 明海大学, 歯学部, 准教授 (50337507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友村 明人 明海大学, 歯学部, 教授 (60188810)
申 基てつ 明海大学, 歯学部, 教授 (40187555)
辰巳 順一 明海大学, 歯学部, 准教授 (60227105)
谷田部 一大 明海大学, 歯学部, 講師 (00526551)
大西 英知 明海大学, 歯学部, 助教 (30580279) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 顎骨 / 不織布フィルター / 再生療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,歯周組織やインプラント周囲組織の再生を目的として,患者の腸骨骨髄液から間葉系幹細胞を分離し,体外で培養した後に移植する再生医工学的手法の臨床応用が検討されている。しかしながら,この方法は大規模な細胞培養センターを必要とすること,骨髄液を患者の腸骨骨髄から採取することなどから,限られた施設でしか行うことができない。本研究の目的は,間葉系幹細胞に親和性が高い不織布フィルターを組み込んだ閉鎖系デバイスが,顎骨から採取した少量の骨髄液からの間葉系幹細胞の分離において,有用であるか否かを評価することであった。 明海大学歯学部付属明海大学病院歯周病科に来院した患者35人から44検体を,インプラント埋入手術時に採取した。被験者の平均年齢は56.1 ± 12.6歳で,男性12人,女性23人であった。希釈した骨髄液は間葉系幹細胞分離デバイスに通液し,フィルターに付着した細胞を回収した後,細胞培養用シャーレに播種した。また,コントロールとして,デバイスを用いず,遠心分離して上清を除き,細胞を直接シャーレに播種した。培養14日後に顕微鏡観察にてコロニー形成を確認した。 本デバイスを用いたところ,30検体中10検体(33%)からコロニー形成細胞を分離することができた。一方,コントロールでコロニー形成が確認されたのは,14検体中3検体(21%)であった。また,骨髄液の採取は,インプラント埋入窩から注射針を用いて行う方法よりも,骨面に起始点を形成した後に骨髄穿刺針を用いて採取する方法の方が,コロニー形成細胞を分離できる割合が高い傾向がみられた。本研究結果から,不織布フィルターを用いたデバイスにより,顎骨から骨髄間葉系幹細胞を閉鎖系で効率よく分離できる可能性が示唆された。
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