2015 Fiscal Year Research-status Report
光触媒デバイスを用いた口腔内バイオフィルム予防の機構解明と実用検証
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26670901
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
楊 英男 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (50561007)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 光触媒デバイス / バイオフィルム / 口腔衛生 / 反応機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
光により励起される光触媒の酸化還元力や超親水性の発現などを医学や医療に関連する周辺領域への応用の可能性を探り、実用化を検討することは光機能材料の持つ能力を有効に引出し、安全で豊かな環境の創造に役立つ重要な研究と考えられている。そこで、本研究では、安全で耐久性に優れた光触媒膜の製作、またそれを用いて口腔内バイオフィルムと光触媒の相互作用によるバイオフィルム生成の抑制効果の検討及び活性種の生成とその同定を行うことによって、光触媒を用いたバイオフィルム処理のメカニズムを明らかにする。さらに、本材料を利用して、口腔内バイオフィルム抑制デバイスを作製し、実用化に向けての実証を目的とする。 H27年は、本研究室開発したP/Ag2O/Ag/Ag3PO4-TiO2新規光触媒材料をもとに、PEG修飾したP/Ag2O/Ag/Ag3PO4-TiO2新規光触媒材料を開発した。その新規光触媒材料は、最適割合条件で従来の材料に比べ高い光触媒活性と耐久性を持つことが確認できた。このような修飾より、P/Ag2O/Ag/Ag3PO4-TiO2本来持つ長所をさらに伸ばし、安定かつ耐久性のある高い光活性を持つ新たな光触媒材料の合成に成功した。成果として、高効率バイオフィルム抑制デバイスの開発に重要な一歩を踏み出した。本材料を用いて殺菌効果を検討し、107CFU/mlの大腸菌が10分以内で完全死滅したとの大変優れた結果が得られた。その結果は通常の光触媒材料に比べ、数十倍または数百倍殺菌効果を有することが明らかになった。 さらに、材料への最適コーティング条件と反応機構を解明したことによって、次年度の実用化研究に向け、確実に成果を上げた。 この一年間の研究成果は国際誌3報登載、国際学会4回、国内学2回の発表の実績を得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H27年は、、本研究室開発したP/Ag2O/Ag/Ag3PO4-TiO2新規光触媒材料を用いて、異なった分子量のPEGを修飾し、その最適PEG分子量と添加量を確認した。また、XRD, SEM,TEM,EDS XPS,PLなど新規材料解析に欠かせない手法を駆使し、材料の特性解析を行った。その結果、PEG修飾したP/Ag2O/Ag/Ag3PO4-TiO2新規光触媒材料は、最適割合条件において従来の材料に比べ、高い光触媒活性と耐久性を持つ特徴を確認し、新規光触媒材料の開発を成功した。PEG修飾より、P/Ag2O/Ag/Ag3PO4-TiO2本来持つ長所をさらに伸ばし、安定かつ耐久性のある高い光活性を持つ新たな光触媒材料の合成を成功した。本材料を用いて殺菌効果を検討し、107CFU/mlの大腸菌10分以内で完全死滅との大変優れた結果が得られた。その結果は通常の光触媒材料に比べ、数十倍または数百倍殺菌効果を有することが明らかになった。 また、この光触媒材料の最適コーティング条件を検討する結果、350℃、2時間焼結と2層塗膜が最も良い条件であることが明らかになった。さらに、その材料の反応機構の検討結果、正孔(h+)の他、スーパーオキサイドアニオン(・O2-)、ヒドロキシラジカル(・OH)が発生した酸化還元反応が処理のメカニズムであることが明らかになった。 限られた予算の中、国際誌3報登載、国際学会4回、国内学2回の発表の実績を得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今まで得られた知見を参考し、特にH27年に得られたPEG 修飾した新規光触媒材料の特性解明と膜のコーティング条件の最適効果に関する知見を基に、デバイスの作成、口腔内から採集したバイオフィルムの培養を行い、人工歯型を用いて、開発した材料によるバイオフィルム抑制効果を検証する。 また、抑制効果を検討すると同時に、光の強度の影響、実際のバイオフィルム抑制に必要な時間及び口腔内装着適正効果の確認など実用化に向けの関連要素を抽出し、世界初光触媒を用いた口腔内バイオフィルム抑制デバイスの開発を試みる。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Evaluation of anti-hyperglycemic effect of Actinidia koomikta (Maxim. et Rur.) Maxim. root extract.2015
Author(s)
Hu, X. S, Cheng, D., Wang, L., Li, S., Wang, Y., Li, K., Yang, Y. N., Zhang, Z. Y.
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Journal Title
Pak. J. Pharm. Sci.
Volume: 28
Pages: 1135-1140
Peer Reviewed
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[Journal Article] Bioactivity evaluation of crude polysaccharide from rice bran fermented by Preussia aemulans and the changes in its nutritional contents2015
Author(s)
Li, Y., Meng, S., Wang, L., Shi, M., Hu, X. S, Yang, Y. N., Zhang, Z. Y.
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Journal Title
Journal of Food Biochemistry
Volume: 40
Pages: 67-75
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] Preparation, Characterization and Application of a Novel TiO2 Based Photosensitizer for Photodynamic Therapy2015
Author(s)
Hu, X. H., Zhu, Q., Xiao, R. D., Yang, Y. N.
Organizer
Ag-ESD Symposium 2015
Place of Presentation
University of Tsukuba, Tsukuba, Japan
Year and Date
2015-11-16 – 2015-11-20
Int'l Joint Research
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