2014 Fiscal Year Research-status Report
感染性口腔疾患における臨床応用を目指した新たな口腔微生物即時検出システムの確立
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26670903
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永田 英樹 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (50260641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 伸一 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70506344)
橋野 恵衣 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (90614553)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 予防歯科学 / 口腔微生物 / 検出システム / 歯周病細菌 / PCR |
Outline of Annual Research Achievements |
う蝕や歯周病などの口腔微生物が原因となる口腔感染症の診断や治療効果の判定、予後の判定には、口腔微生物の検査が有効である。しかし、これまでの口腔微生物検出法は、検出感度や定量性、検出時間等に問題があった。本課題は、チェアーサイドで臨床応用可能な口腔微生物検出システムを確立することを目的とする。 本年度の研究では、まず、インフルエンザウイルス検出用に開発されたシステムを改良し、チップ部、サンプル注入部、遺伝子増幅部および検出部からなる歯周病細菌検出システムを構築した。小型チップはPCRが行えるように設計し、検出にはキャピラリー電気泳動を利用した。本システムを用いて、歯周病細菌のなかでも特に病原性が高いとされているred complex構成菌(Porphyromonas gingivalis, Tannerella forsythia, Treponema denticola)の連続希釈懸濁液を作製し、検量線を作成した。ヒトから採取した唾液と歯肉縁下プラークを用いて、それに含まれるred complex構成菌の菌数を本システムを用いて算定した結果、リアルタイムPCR法を用いて測定した結果とほぼ一致した。 P. gingivalisはその線毛型により6型に分類されており、歯周病患者ではⅡ型線毛を有するP. gingivalisが高頻度で検出されることが報告されている。そこで、次に、異なる線毛型を有するP. gingivalis株を用いて本検出システムの有効性を検討したところ、本システムはP. gingivalisの線毛型を識別できることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究により、本課題で構築したシステムが有力な歯周病細菌の検出に有効であることを示した。このことより、研究はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、臨床サンプルを用いて本課題で構築した口腔微生物検出システムの有効性の検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に試薬の購入に使用する。
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Research Products
(8 results)