2015 Fiscal Year Research-status Report
嚥下機能に影響をおよぼす顎顔面骨格・舌骨・咽頭腔の構造的要因を探る
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26670909
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Research Institution | Fukuoka College of Health Sciences |
Principal Investigator |
升井 一朗 福岡医療短期大学, その他部局等, 教授 (50131884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀尾 恵一 九州工業大学, 生命体工学研究科(研究院), 准教授 (70363413)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 嚥下機能 / オーラルディアドコキネシス / 側面頭部エックス線規格写真 / 自己組織化マップ |
Outline of Annual Research Achievements |
ADLランクJ(生活自立)の65歳以上の高齢者21名に対して、下記の診査、嚥下機能のアセスメントおよび側面頭部エックス線規格写真撮影を実施した。 ①反復唾液飲みテスト:空嚥下反射の随意的な惹起能力を記録。1回目の嚥下に要した時間、2回目までに要した積算時間、3回目までに要した積算時間を記録(健口くん:26年度購入) ②オーラルディアドコキシネス:口唇音「パ」、舌尖音「タ」、奥舌音「カ」を発音させ、計測器(健口くん:26年度購入)を用いて1秒間速度を計測した。 ③下顎運動の診査(開口距離の計測) ④咬合状態の診査 ⑤側面頭部エックス線規格写真撮影を福岡歯科大学医科歯科病院放射線診断科にて撮影した。⑥側面頭部エックス線規格写真のトレースを行い、セファロ分析ソフト(WinCeph 26年度購入)を用いて、顎顔面骨格、舌骨位置、軟組織側貌および咽頭気道形態の計測を行った。 セファロについては共同研究者の堀尾恵一氏(九州工業大学准教授)が原画像をスキャナーを用いて取り込み、それをもとに、自己組織化マップ(SOM)の解析手法を共同で検討中である。また、第12回口腔ケア学会(2015/6/26下関)に参加し、嚥下機能の研究の動向を調査した。その後、被験者19名について、上記1)~4)のデータを分析、統計解析を加えて(エクセル統計2015を使用)、第13回日本口腔ケア学会に演題発表(口演)申し込み、受理された。(2016/4/23、千葉、発表済)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象者は健常な高齢ボランティア40名を当初見込んでいた。27年度末の時点での協力者は21名となったが、データの収集は21名について当初の計画通り、27年度末までにほぼ終了している。しかしながら、セファロ画像データからの下顎骨形態、咽頭形態、舌骨の位置等と、嚥下機能やオーラルディアドコキネシスとの関連性については、自己組織化マップ等の情報工学的手法を用いて開発中であるが、幾分遅延しているのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
セファロ画像から硬組織計測値および軟組織計測値を求め、嚥下機能やオーラルディアドコキネシスとの関連性について、従来の統計学的解析を先行して行い、その後にその所見をもとに、自己組織化マップ等の情報工学的手法を応用した解析を進行させる予定である。
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Causes of Carryover |
研究対象者の数が予定よりも減少したため、頭部エックス線規格写真の撮影費(19名分)が余剰となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
被験者ボランティアに対する研究成果の説明と同時に、口腔ケアならびに保健指導を実施する際の消耗品(歯ブラシ、補助的口腔清掃器具、口腔粘膜保湿剤等)の購入に充てる予定である。
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