2014 Fiscal Year Research-status Report
NBC災害発災急性期から中長期における実践的看護支援ドリルの開発
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26670916
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐々木 吉子 東京医科歯科大学, 保健衛生学研究科, 教授 (90401356)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | NBC災害 / ドリル / 災害看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は国内外の関連研究の知見を把握すべく、NBC災害に関する文献検討、近隣で実施される大規模テロ訓練へ参加、および放射線被ばくに対する医療者研修、被ばく医療に携わる教育機関の意見交換会等に参加した。 文献検討では、医学中央雑誌Webを利用して、NBC(核、生物、化学)災害に、E(爆発)N(放射線)を加えたCBRNE災害をキーワードとして検索し、原著論文28件を含む316件の文献(解説、会議録を含む)を概読して要約した。その結果、国内においては、NBC災害の発災を想定している施設は少なく、減災、防災への備えができている医療機関は十分ではなかった。研究の多くは、1施設での災害訓練の実施報告であった。NBC災害に備えての設備面の整備状況については、除染や防護衣などの設備や備品は乏しく、これらの適切な使用等についての医療者の知識も不十分であった。東日本大震災での原発事故以降、放射線障害に関する研究報告が一時的に増加したが、医療者は放射線について十分な知識を得られないまま対応している状況であった。 看護職によって遂行された研究は非常に少なく、傷病者受け入れ時の対応や、被災者および支援者への心のケア、多職種連携システムなどにおける看護職の役割の模索をしながら、研究を進めていくことの必要性が示唆された。 大規模テロ訓練、被ばく医療者研修、意見交換会では、多職種連携の重要性や、平時における住民への意識づけ、発災時対応などにおける課題について情報共有をはかることができた。 以上の結果を踏まえ、一般看護職に必要なNBC災害に関する知識・技術の内容、これらを習得するための要件については、さらに基礎的な検討が必要であることが明らかとなった。特に、広く一般看護職がどの程度の知識を有しているか、またどのような学習ニーズをもっているかの実態については明瞭なデータが存在しなかったため、大規模実態調査の実施が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度に実態調査の実施までを予定していたが、文献検討に加えて、自治体等のNBC災害への備えについての情報収集や、研修参加等に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、予定していた一般看護職のNBC災害に対する備えの実態調査、ドリルに盛り込むべき内容の選定を行う。
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Causes of Carryover |
諸外国のNBC災害対応マニュアル購入予定であったが、在庫切れのため購入できなかったため、次年度購入とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度に購入予定であった外国書籍は、いずれも27年度に購入する。
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