2015 Fiscal Year Research-status Report
NBC災害発災急性期から中長期における実践的看護支援ドリルの開発
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26670916
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐々木 吉子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (90401356)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | NBC災害 / 看護支援 / ドリル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、計画通り「NBC災害発災急性期から中長期における実践的看護支援ドリル」の草案作成に向けて、まず研究協力者の小川氏が中心となり「化学災害に対する受け入れ医療機関の看護師の認識と教育」について調査研究を実施した。また、NBC災害発生時に、傷病者を緊急受け入れする可能性の高い救命救急センターに勤務する看護師をメンバーとして、望ましい対応能力を養うための教育ニーズと教育方法について、検討会議を行った。 1.化学災害に対する受け入れ医療機関の看護師の認識と教育(研究成果) 首都圏の救命救急センターの看護師を対象に面接調査を実施した。結果、化学災害は一般看護師には関心が薄く、災害対策業務を担う者であっても身近に感じておらず知識が乏しい現状であった。看護師は身を守り安心安全な対応を行うための基礎的知識を必要としていた。また、教授できる者の不在から、教育を受ける機会と受けられる対象者が非常に限られていた。知識を必要とする職員に教育の機会を拡大し、安心安全な対応が行えるよう実践的な教育を行う必要性が示唆された。 2.NBC災害対策における看護職用教育教材開発に関する検討会議要旨 DMAT研修でも、30分程度の講義と防護衣の着脱演習程度であり、災害時に最前線に立つ看護師であっても知識と対応能力が十分でない準備性にある。化学災害の傷病者の来院は稀であり、搬入された患者について「臭い」「皮膚の色」「流涎」などの異変をシグナルとして捉えられることが重要である。医療者や家族が二次災害を被らぬよう、除染やゾーニングの概念、化学災害傷病者の所持品の取り扱いも押さえられるべきである。初療の壁面に対応フローチャート、観察ポイント、除染の適応と方法、特徴的な身体反応(皮膚の色など)を記載し、周知を図ってはどうか。アプリを用いた初期対応シミュレーションも有効であろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ドリルの草案作成に至っていないが、教育の対象者の焦点化、教育内容として必要な項目は明らかにできている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度においては、ドリルの完成、試行を目指して準備を進める。
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Causes of Carryover |
ドリル作成にあたり、技術補佐員を雇用する予定であったが、適任者がおらず雇用できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度においても技術補佐員の雇用を計画し、前年度計画分についても作業を依頼する。
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Research Products
(1 results)