2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of practical nursing support drills for chemical, biological, radiological, nuclear and explosive disaster in the acute phase to the mid-long term
Project/Area Number |
26670916
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐々木 吉子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (90401356)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | NBC災害 / 教材 / 適切性 / パイロットスタディ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、前年度までに施した有識者会議での意見と文献検討からの知見に基づいて、NBC災害の学習経験が少ない一般外来等の看護師向けに「ミニ・レッスン教材」を開発した。この教材は、音声解説を付けた動画で、NBC災害の種類、病態、治療、対応の原則についての学習編と、机上シミュレーション編より構成した。 次に、この教材内容の適切性を確認することを目的として、パイロットスタディを実施した。所属大学の倫理審査委員会の承認後、2ヶ月間、研究室ホームページにて研究の趣旨等を記載した説明書を表示し参加を募った。参加者には、Googleドライブ上にアップしたミニ教材を自身のパソコンまたはスマートフォンで閲覧してもらい、次いで無記名のWEBアンケートへの回答を依頼した。研究には21名が同意し、このうち全質問に回答した17名分の回答データを分析した。参加者のNBC災害看護への関心は、「なかった」が8名、「あった」が7名、「どちらともいえない」が2名であった。研究参加の動機は、「学習の必要性を感じていた」や「学習の機会が少ない」などであった。教材閲覧後に感じたことは、「自身の臨床実践に役立つ」「教材は関心に応えてくれる」「教材は理解しやすい」等の肯定的な意見が大半であった。教材の閲覧前では、「NBC災害時の看護に対する知識」「NBC災害時の看護への自信」「NBC災害時に落ち着いて対応できる」「傷病者の急変に応じた看護方法の変更ができる」「そこにあるもので工夫しての対応ができる」「患者の情報の瞬時の判断ができる」の全てにおいて、否定的な感覚が大半であったが、閲覧後は幾分肯定的な感覚へと変化した。 以上の結果より、本教材は基礎知識の習得には概ね適切であることが示唆されたが、一方で34分間の教材では習得できる内容が限定的であり、すべてのNBC災害の応急対応のためには十分ではないことも確認された。
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