2016 Fiscal Year Annual Research Report
Basic study for best practice of hospital disaster mitigation plan with system simulation
Project/Area Number |
26670920
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
横内 光子 神戸女子大学, 看護学部, 教授 (10326316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 幸則 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 助教 (00566101)
水野 暢子 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (80338201)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 災害対策 / 病院防災 / システムシミュレーション / 避難計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
災害対策に積極的に取り組み、BCP(Business Continuity Plan;事業継続計画)の策定と修正を継続しているモデル病院を抽出し、災害対策の経緯と現状についての聞取り調査を行なった。この病院では、BCPの策定をきっかけとして、職場の災害に対する意識の向上や日常的な業務の改善につながる波及効果が認められていた。 モデル病院の災害対策の中で、避難計画について、システムシミュレーションの手法を用いて実験を行った。139床の内科、リハビリテーション科、産婦人科の外来と入院病床を持つ病院で、4階病棟60床の入院患者の避難を昼間のシフトと夜間シフトで想定し、看護師の人員配置、担送・護送・独歩の患者割合の変化による避難時間への影響を分析した。その結果、病棟内の水平非難は、日中シフトの看護師12人体制では、病棟を出て階段までの搬送に平均28.17分であり、夜間シフトの4人体制では、33.33分であった。1搬送に携わる看護師数が5名以上では搬送時間は30分を切り、この病棟では搬送人員最低5名を確保すれば比較的早く搬送が可能となり、逆にそれ以上人数を配置しても避難時間は大きく変わらないことがわかった。担送患者の割合を変化させた実験では、日中シフトでは割合の変化が避難時間にほとんど影響しないが、夜間の職員配置では、担送患者が10%増加すると避難時間は2.43倍延長することが明らかとなった。担送患者と護送患者の搬送優先度を変化させても避難時間には大きく影響しないこともわかった。このように、システムシミュレーションの活用は、複数の避難計画の検証と最適案の提示など、ベストプラクティスを客観的な指標に基づいて示すに有効な方法である。 今後は多様な施設のデータ収集と分析により、例えば避難時間の影響要因や、共通法則などを明らかにすることで、病院防災のエビデンスの構築につながると考える。
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