2015 Fiscal Year Research-status Report
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26670922
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
橋口 暢子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80264167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栃原 裕 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 名誉教授 (50095907)
樗木 晶子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60216497)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 湿度 / 療養環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
健康な高齢者を対象とし、冬季の低湿度環境下における温熱的快適性および皮膚性状、主観的温冷感、快適感などについて検討した。なお、暴露時間は、平成26年度の実験実施状況および結果から、高齢者の心身の負担を考慮し、暴露時間は2時間とした。なお、高齢者は、事前に健康状態把握のために、問診や各種検査を行い、高血圧、糖尿病、心疾患等を有していないかの確認を行った。実験手順は、室温25℃、相対湿度は、50%および30%の2条件とした。測定項目は、皮膚温、経皮水分蒸散量、皮膚水分量、主観申告として、温冷感、快適感、乾湿感を評価した。現在結果の解析中である。 療養環境下における冬季・夏季の湿度環境の実態と患者または入所者さらには医療スタッフに及ぼす影響を評価するための調査に先立ち、既往研究をもとに、病院施設、高齢者施設における夏季、冬季の温熱環境について、また医療スタッフ、患者(入所者)の主観的反応について文献調査を行った。対象文献は、医学中央雑誌web版ver.5より原著論文に限定し、「病院」、「湿度」、「温度」をキーワードに検索した204件の文献より、過去10年までのもので、研究の目的に合致すると考えられた16件を選定した。16件のうち、温熱環境評価として、実際に温度、湿度の測定がなされているものが11件、患者、スタッフへのアンケート調査など主観的評価がされているものが14件、実測評価および主観的評価ともに評価されているものが9件であった。夏季は、温度は基準値よりも高いが、湿度は比較的基準値ないに調整されていた。主観的評価による満足度は、患者は比較的高かったが、看護師による評価は低かった。冬季は、温度は基準値よりも高く、湿度は基準よりも低い報告が多かった。患者、看護師ともに湿度に対する満足度が低かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた被験者実験は終了した。現在結果の解析中であるが、研究成果の一部は、平成28年度秋開催予定の国際学会(ICHES)で発表予定である。また、既往研究をもとにした文献調査により、現在の病院施設における温熱環境の問題点を明らかにすることができた。現在国内誌への論文投稿の準備をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度、27年度に実施した被験者実験の研究成果の解析を進め、療養環境下における湿度指針について、国内外の学会で発表し、論文による成果発表を予定している。
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Causes of Carryover |
おもに実験で使用する測定機器および研究補助者雇用のための人件費として執行し、わずかに残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験で得たデータの解析を進めるための、研究補助者雇用のための人件費および資料収集、学会参加、発表のための旅費、参加費などに使用予定。
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