2014 Fiscal Year Research-status Report
用手リンパドレナージを用いた身体的疼痛に対する緩和技術開発に関する研究
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26670924
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中尾 富士子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保健学系), 准教授 (40363113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 志津枝 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00149709)
谷口 まり子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保健学系), 准教授 (10136707)
河野 宏明 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保健学系), 教授 (10305013)
有松 操 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保健学系), 助教 (50289659)
内山 良一 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保健学系), 准教授 (50325172)
平田 秀紀 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70173242)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 疼痛緩和 / リンパドレナージ / 看護技術教育 / 症状緩和技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、疾病や治療に伴う身体的疼痛に対して、看護師が用手リンパドレナージ(以下リンパドレナージ)を実施することで、疼痛への効果の有無、および直接身体へ触れる技術であるため循環動態や身体組成へどのような影響があるのかなどのメカニズムを明らかにし、症状マネジメント技術としての有用性を明らかにするものである。 本年度は、研究協力者の看護師に対してリンパドレナージ技術を教育することを行った。研究協力ができる看護師は2名(以下、研究協力看護師とする)であった。2名に対して、研究代表者によるリンパドレナージの基本的知識と技術の講義・ドレナージ技術の演習、DVDと参考書を提供し自己学習ができるように学習環境を整えた。研究協力看護師の達成度の評価については、研究者らが作成したチェックリストによる口頭試問により行った。その際は、知識と技術の評価の視点だけを強調するのではなく、研究協力看護師の疑問や質問に解答して知識と技術の再確認ができる場としても活用した。この過程から、研究協力看護師がリンパドレナージ技術や知識について「臨床現場で導入できる」という自己効力感を持てるようになった。 本年度に実施した、看護師に対するリンパドレナージ技術教育の重要性と意義については、リンパドレナージに関する知識と技術を獲得した看護師が増え、臨床現場でも疼痛緩和の看護技術として導入できるという最終目標を目指した過程の第一段階であり、知識と技術を獲得する看護師の数を増やすための段階でもあることから重要性は高い。さらに研究の実施だけでなく、臨床現場で、患者に対して疼痛緩和技術の提供ができる看護師を増やすことは、患者の苦痛を軽減し生活の質向上に寄与できることから、今年度の看護師への技術教育は基盤となる過程といえ、研究の意義は深いと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の最終的な目標は、看護師が、患者の身体的疼痛緩和の技術として、臨床現場でリンパドレナージを実施できることを目的とする。そのため、今年度は、看護師教育を行うことで、看護師がリンパドレナージに関する知識と技術を獲得することを目標とした。 今年度の目標達成をめざし、まずは、看護師向けの自己学習教材の作成と教育の実施を行った。自己学習教材は、技術教育のためのDVDなどの視聴覚教材の作成と、参考書を提供した。また、研究者らによる看護師教育プログラムを受講してもらいチェックリストによる達成度の評価を行った。 研究の現時点までの達成度の評価の理由は、看護師教育は行うことができたが、対象者数が少数であり、研究の次の段階への進行を考えると、対象者数の増加が必要であるとかが得ているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終的な目標は、看護師が、患者の身体的疼痛緩和の技術として、臨床現場でリンパドレナージを実施できることである。この目標達成を目指すためには、まずはリンパドレナージ技術を提供できる看護師育成を行うことと、看護師がリンパドレナージを実施することで対象者の身体面にどのような影響があるかを明らかにし、技術の安全性を確認する必要がある。 そのため、今後は、研究協力者である看護師を増やし、健康な人として同僚看護師に対してリンパドレナージを実施し、循環動態や身体組成へどのような影響があるのか、症状改善の状況などを明らかにし、臨床現場における緩和技術としての導入の安全性と有用性を確認することを計画している。研究実施2年目は、まずは研究協力者の看護師数を増やすために対象施設を広げデータを蓄積し、上記の目標達成ができるように努める。
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Causes of Carryover |
研究目的達成に向けて研究協力看護師を募るため複数の病院・施設へ依頼をお願いしたが、看護師教育プログラムのために3日~4日受講しなければならないことや、その後の看護師による看護師教育については、業務の煩雑さから協力できないという回答があった。そのため、研究協力看護師数が目標数より少数であったため、看護師教育用のDVDや参考資料などのために計上した物品費に残額がでた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、研究協力看護師数を増やし、研究者らによる看護師教育プログラムによる教育的介入を行う。この過程において前年度の繰越金を使用し、教材の作成や提供を行い、対象者の学習環境を整える。リンパドレナージ技術を獲得した研究協力看護師により健康人に対してリンパドレナージを実施してもらい、身体面の変化の有無やそのメカニズムを明らかにする。データはドレナージの効果の基礎データとしてまとめ、中間報告を行う。
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Research Products
(1 results)