2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the change and improvement of emotion about the mastery process of nursing skill
Project/Area Number |
26670931
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
永嶋 由理子 福岡県立大学, 看護学部, 教授 (10259674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
於久 比呂美 福岡県立大学, 看護学部, 助教 (10512022)
藤野 靖博 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (20405559)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 看護技術 / 熟達化 / 身体的動作の向上 / 眼球運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は,技術の熟達化を検証することを目的に,看護学生4名を被験者として眼球運動測定装置(Talk Eye Lite)を用いて実験を実施した.この実験方法を選択した理由として,看護技術の熟達と伴に,「身体的動作の向上」と「思考が深化する」という仮説を基に,平成29年度は,眼球運動測定装置を用いて「身体的動作の向上」を検証することとし,その中で眼球の動きに着目し,技術が上達していくごとに無駄な視線が減少(視線の合理性が増す)していくかを注視時間によって検証した.実験方法は,実験場所の環境として個室を準備し,2名1組(患者役及び看護師役を交替して実施)で血圧測定を実施.看護師役の被験者に血圧測定を連続20回実施,1回毎に血圧測定値・測定時間及び上達の自覚として,技術が上達したと自覚した場合は〇,技術が自分のものになったと自覚した場合は◎を記入するよう説明した.血圧測定時に看護師役の被験者に眼球運動測定装置を装着し,研究者はパソコン上で注視点及び注視時間を観察した.分析は解析ソフトを用いた.その結果,4名の被験者ともに初回は,視線の動きが絞れず,無駄な視線の動きが顕著に現れていた.回が増すごとに視線の動きは安定されていった.注視時間については,初回は血圧値を読むときに一番長く平均0.4~0.5秒で,その後測定ごとに徐々に注視時間は短縮され,20回目では平均0.1~0.2秒と変化していた.また,測定時間については,初回2分42秒~3分27秒かかっていたが,最終回は1分15秒~1分35秒と短縮されていた.さらに上達の自覚においては,4名中3名の被験者が8回目以内に自覚し,また,自分のものになったと自覚した被験者は14回目に1名と15回目に1名いた.以上の結果から,看護技術の習得において,上達とともに視線の安定と注視時間の短縮,被験者自身の上達の自覚が起こることが明らかとなった.
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