2016 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of a new SP participatory education system making full use of experience of hospitalization and experience of general fellow residents
Project/Area Number |
26670932
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
栗林 好子 東京医療保健大学, 看護学部, 助教 (50614054)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 模擬患者 / 基礎看護学 / コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、模擬患者(以下SP:Simulated Patientと略す)参加型教育の経済的問題・短期間のSP養成・SPの質の担保という課題克服に向け、一般の方の入院経験や闘病経験を活かした、専門機関によるSPを活用せずに行える新SP参加型教育システムの開発であった。 社会福祉協議会の協力を受け、高齢者サロンに参加している高齢者を対象にSP協力を依頼し、SP候補となる対象者14名の協力が得られた。更に、この方々の入院経験や闘病経験を活かしたシナリオを作成し、実際にSPとなって看護大学1年次生82名のコミュニケーション演習として、一般住民の入院経験や闘病経験を活かした新SP参加型教育の実施を行った。 新SP参加型教育システムの有効性と限界を検討するため、学生への演習前後アンケート(藤本・大坊のコミュニケーション・スキル尺度ENDCOREs、演習に関する自由記述)を実施し、平成25年度に実施した専門機関SP活用のコミュニケーション演習前後アンケートと比較した。その結果、明らかに専門機関SPを使用したコミュニケーション演習の方が、演習前後の結果に違いがみられ有効性が高いという結果が得られた。同時に、新SP参加型教育の課題として、自らの入院経験、闘病経験のみでSP参加型教育を実践するのではなく、効果的なフィードバックの仕方やSPとしての心構えなど、基本的なSPに必要な教育の必要性が示唆された。しかし、演習に関する自由記述の学生レポートをテキストマイニングにて比較したところ、今回の一般住民SPを活用した新SP参加型教育でも、本物の患者に接しているようなリアリティーや演習そのものの持つ緊張感など、専門機関SPと同様の結果を学生は感じられていた。このことから、新SP参加型教育が従来の専門機関SPを活用したSP参加型教育に比べ、決して有効性が低いわけではないことが示唆された。
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