2014 Fiscal Year Research-status Report
運動課題とアナロゴンを用いた看護技術指導についての基礎的研究
Project/Area Number |
26670935
|
Research Institution | Tohto College of Health Sciences |
Principal Investigator |
中村 昌子 東都医療大学, 公私立大学の部局等, 講師 (80528894)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 基礎看護学 / 看護技術習得 / 運動課題 / アナロゴン / 看護技術教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
看護技術の習得は学習者にとって新しい動作の習得で学習者の一番の関心はその動作ができるようになるということである。運動ができるようになるためには運動課題を達成すること,運動感覚能力を高めることが重要とされる。運動感覚能力を高めるためには運動経験として蓄積された,感覚的に類似した動き方の例であるアナロゴンの量的増大と質的向上を図ることが運動感覚能力を高めることにつながると考えられている。 本研究ではスポーツ分野においても研究段階である運動課題とアナロゴンを看護技術の習得に活用する方法を検討することを目的とした。 まず,第一段階として文献研究により看護技術指導において活用可能な運動課題とアナロゴンの抽出を試み,看護技術指導において運動課題を用いて起立の援助,胸骨圧迫法,アナロゴンを用いて椅坐位への援助,水平移動の援助を習得させることができる可能性が考えられた。 次に文献研究により抽出した看護技術指導において活用可能な運動課題とアナロゴンをもとに看護技術の指導者にインタビューを実施し,看護技術指導への運動課題およびアナロゴンの活用について検討した。結果,ベッドメイキングでのシーツの入れ方において,先に腕を引く動作をさせること,体位変換における側臥位の取らせ方で,腰を引くと肩が上がることを体験させてから体の回転方法を伝えることなどがなされていた。看護技術指導においても類似動作を用いて教育指導がされていたことがわかった。引き続きインタビューを行いデータ収集するとともに得られた運動課題およびアナロゴンを使用した実証実験を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一段階としての文献研究は終了し,看護技術指導において活用可能な運動課題とアナロゴンの抽出には至った。しかし,看護技術の指導者に対するインタビューは,協力者が得にくく難航しており,4例のインタビューにとどまっている。引き続き,インタビューを試みていくとともに,得られた内容の実証実験を行うべく倫理申請書を作成中である。したがって,おおむね当初の計画通り順調に進展しているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度に十分得られなかったインタビューについて,引き続きデータ収集・分析を行う。平衡して当初の計画に従って,運動課題とアナロゴンを使用した看護技術指導の検証に取り掛かるべく,まずは倫理申請を行い,承認を得て協力者を募る予定である。
|
Causes of Carryover |
文献研究に使用した消耗品が予算に計上したよりも安価に入手できた。封筒は業者を吟味したことで,大幅に予算を削減して作成することができた。国内旅行費については,当該研究の発表を行った学会の開催地が名古屋市であり,予算計上のほぼ半額であった。さらにインタビュー協力者者想定は30名であったが,協力が得にくく4名にとどまった。通信費用を郵送で想定していたが,メールで行ったため費用を削減できた。逐語録については,アルバイトは雇用せず専門業者に依頼したが件数が少なかったため,予定よりも使用額を減じる結果となった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究者所属施設変更により,封筒が新たに必要となった。インタビューについては可能な限りデータ収集を行うため,今年度の未使用額をこの協力者謝金および専門業者委託の逐語録作成費用として計上する。次年度は実証実験を行う予定であるため,協力者への謝金が必要である。また,最終年度であり研究のまとめにあたり,関連学会にも積極的に参加し情報収集の機会を得る。実証実験のための撮影資材については,当初,計上していなかったが操作性のよい安価な機材が開発されているため,活用を検討したい。
|