2015 Fiscal Year Annual Research Report
抗がん剤点滴静脈内注射の血管外漏出の有無の客観的判定基準の開発
Project/Area Number |
26670939
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
松井 優子 金沢医科大学, 看護学部, 准教授 (00613712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須釜 淳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (00203307)
紺家 千津子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (20303282)
木下 幸子 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (50709368)
坂井 恵子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (60454229)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 看護学 / 看護理工学 / 基礎看護学 / 看護技術 / 創傷管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、サーモグラフィーを使用して点滴静脈内注射の刺入部の皮膚温度を測定することによって、抗がん剤の血管外漏出を早期に発見することが可能か否かを明らかにすることを目的としたものである。 2014年4月~9月に、大学病院の外来治療室で抗がん剤の点滴静脈内注射を受けた患者81名(257例)を対象に調査を行った。抗がん剤投与中に15~30分間隔でサーモグラフィー画像を撮影した。同時に、点滴刺入部周囲の皮膚の腫脹、疼痛、発赤などの有無を観察した。対象者が次回に来院した際には、刺入部の皮膚の皮下出血斑、発赤、色素沈着、硬結、水泡、潰瘍の有無を観察した。血管外漏出を「滴下中に腫脹がある。もしくは再来までの期間に皮下出血斑、発赤、色素沈着、硬結、水泡、潰瘍がある」と定義し、漏出群と非漏出群に分けた。漏出群は26名だった。そのうちサーモグラフフィーにより漏出と判別できた対象は23名で、サーモグラフィーによる血管外漏出の識別能力は感度84.6%、特異度94.8%、陽性的中率64.7%、陰性的中率98.2%だった。これにより、サーモグラフィーは高い確率で臨床における抗がん剤の血管外漏出を発見できることが明らかとなった。 最終年度である平成27年度は、これらの臨床調査のデータの二次解析により、抗がん剤の血管外漏出の発生要因を抽出した。血管外漏出の発生要因として、脈拍、ヘモグロビン、総蛋白、アルブミン、投与時間、壊死性もしくは炎症性薬剤、合流付近への刺入が抽出された。
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