2015 Fiscal Year Research-status Report
看護学生が避難所で看護補助を行うシステムの構築―事前教育・訓練・登録まで―
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26670942
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Research Institution | Yokkaichi Nursing and Medical Care University |
Principal Investigator |
小寺 直美 四日市看護医療大学, 看護学部, 講師 (80612910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中神 克之 四日市看護医療大学, 看護学部, 講師 (20551237)
小笠原 ゆかり 四日市看護医療大学, 看護学部, 准教授 (50335048)
蓑田 さゆり 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 准教授 (60460648)
水野ルーイス 里美 四日市看護医療大学, 看護学部, 助教 (90583790) [Withdrawn]
児屋野 仁美 四日市看護医療大学, 看護学部, 助教 (80644400)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 災害看護教育プログラム / 看護学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大規模災害発生後の避難所において看護学生が看護補助ボランティア員として安全かつ効果的な活動が行える教育プログラムの開発およびプログラムの継続を可能にするためのシステムを構築することである。今年度はプレプログラムを実施・評価・修正し、プログラムVer.2を作成し実施評価を行った。 プレプログラム内容は昨年度検討した「災害看護の基礎知識」「災害時要援護者への理解」「被災者の心理・援助者の心理への理解と援助」「避難所運営」「避難所における保健・衛生管理・感染症対策」「災害時に必要な看護技術」の6項目とし、講義と演習形式で構成し、スケジュールは1日6時間とし、2日間で行えるよう調整した。プレプログラムは2015年8月20日・21日に実施し、参加した学生は3・4年生11名であった。プログラム評価は、プレプログラムの項目から6下位尺度21項目の質問票を独自に作成し、現時点での知識や技術についてどれぐらい自信があるかプレプログラム前後に調査した。さらに終了後、「開催時期・期間・場所」「プログラム内容や時間」の改善点について非構造化面接を行った。アンケート結果よりほとんどの項目で自信を持って行うことができると答えており、概ねプログラム内容は看護補助ボランティア員としての教育プログラムとして適した内容であった。しかし、「災害時に必要な看護技術」においては評価が低くかったため、全体的に講義時間を減らし演習時間を増やし、より実践向けのプログラムに修正し、プログラムVer.2を作成した。 修正されたプログラムver.2は、2016年3月29日・30日に実施し、参加した学生は1・2年生7名であった。プレプログラムと同様、実施前後にアンケートと非構造化面接を行い、プログラムver.2の評価を行った。来年度はこれらの結果をもとに内容の改善を図り、プログラム完成に向けて検討を重ねていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は8月にプレプログラムを実施・評価・修正し、3月にプログラムver.2の実施・評価を行った。しかし、プレプログラムの修正は参加者からのアンケートや非構造化面接の結果をもとに研究者間のみで検討し修正したため、災害に関わる専門家や災害を経験した一般の方々からも意見を聞き、プログラムの妥当性を検証する必要がある。そのためプログラムの完成にはもう少し時間が必要であり「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の計画は、災害時看護補助ボランティア員育成のための教育プログラムの開発と、継続して教育プログラムが実施できるシステムを構築することである。 今年度実施したプログラムVer.2を専門家からスーパーバイズを受け、プログラムの妥当性を検証する。その後、学生が夏期休暇期間である8月にプログラムVer.3を実施・評価しプログラムの完成を目指す。 そして、継続的に災害時看護補助ボランティア員育成ができるよう学生をリクルートするために、学内掲示版を活用してポスターを掲示し年間を通して案内をしていく。また、科学研究費事業終了後は教育プログラムの運用が継続できるよう大学組織への働きかけを行い、システム化を図る予定である。
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Causes of Carryover |
今年度の計画は、災害時看護補助ボランティア員育成のためのプログラムの構築と試行運用であった。プレプログラムとプログラムVer.2を作成し、実施と評価を行ったが研究者間のみで検討して修正したためプログラムの妥当性が検証できていない。そのため、プログラム完成後に予定していたシンポジウムや研究会の開催ができなかった。また、実際の大規模災害を想定した地域住民との合同避難所解説・運営訓練の企画・運営ができず次年度使用額が生じることになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、熊本地震や東日本大震災当時に避難所で医療ボランティア活動を行った医療職者や避難所運営に携わった方々にプログラムの内容についてスーパーバイズを受ける。 プログラムの妥当性検証後に完成版を作成して実際の運用を行い、プログラムの運用に必要な災害教育や防災物品の購入を計画的に行う。また、看護学生・大学組織・地域防災組織と協同して防災・減災を考える研究会を開催する。
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